2019年7月2日放送

しらす漁の網を作る、三代忠正さん
今が最盛期のしらす漁。
漁に欠かせない“網”は、しらす漁が盛んな茨城県で作られています。
「船主さんの希望で網の形状はまちまちです。
だからこれといった、ひとつの形にはなりません。」
しらす漁の網は、大きいもので150m以上。
網目の大きさが異なる15種類以上の網をつなぎ合わせ
だんだんと目を細かくすることで、しらすを追い込みます。
「まずだいたい6cmくらいの網。その次の網になれば数mm。
最終的にレースのカーテンみたいな網をつなぐ。
始めから細かい目にすると、水の抵抗が大きくて曳(ひ)ききれない。」
種類の違う網をつなぐ作業は、全て手縫いです。
「網が破れて、それを修繕する時、手でやったことは
その逆をやれば解体できますから。修繕しながら長く使う。」
繊細な手仕事で、全国のしらす漁を支えてきました。
「提供する道具が、漁師さんの生計を左右しますので、気持ちを込めて丁寧に作る。
妥協はできない。」
漁師のために心を込めて網を作る三代さんが心に想う言葉…

「この世で最も快い果実は感謝である」

感謝の大切さをうたった古代ギリシャの喜劇作家メナンドロスの言葉です。

「漁師が多くの漁獲をして喜んでくれた時、
僕らはその感謝されることに、すごく喜びを感じますね。」