2019年12月24日放送

秋田銀線細工職人、佐藤房雄さん。
まるで彫刻のように見える銀のアクセサリー。
実は、糸のように細い銀を編んで作られています。
「撚(よ)り線という、銀の線を使って細工をしていきます。」
0.27mmの銀線を2本撚り合わせて、限界まで細くします。
この作業が作品の出来を決めるのです。
「撚り過ぎると切れたり、切れるのが怖いからと途中でやめたりすると、
目がバラバラで使えない線になってしまう。」
撚り合わせた銀線を指先で器用に曲げて、パーツを組み合わせたら、
固定するのに使うのが銀ロウ。
「火をかけると銀線が溶けるより先に銀ロウが溶ける。
線が溶けないように銀ロウだけ溶けるように火を回してあげる。
銀線が溶けたら終わりです。」
そして、使うほど変化していく“色”も、銀線細工の魅力です。
「銀は黒くなるが、触っていると取れていく。
撚り線の低いところは黒く、高いところは銀色っていう、
本当に“いぶし銀”の味が出てくる。」
江戸時代から伝わる銀線細工を守る、佐藤さんが共感する言葉…

「成功とはただ一つしかない 自分の一生を自分流に生きぬくことだ」

アメリカ合衆国の作家、クリストファー・モーリー(1890-1957)の言葉です。

「大変ではあるんですよ、やっぱり。
ただ好きなことをしているので楽しいというのは、すごくありますね。」