2020年3月3日放送

駿河雛具職人、大塚隆さん。
女の子の健やかな成長を願い、飾られるひな人形。
全国屈指の生産量を誇るのが、駿河雛具です。
「徳川家康が静岡に来た時に、名工の方々を連れてきて、
引き出しが開いたりとか、本物をミニチュアにしたもので精巧に作られている。」
他の職人が形を組み、また別の職人の手によって下地が塗られた道具に、
模様をつけるのが蒔絵師である大塚さんの仕事。
「古典柄という昔からある唐草模様の場合は、ハンコで一つずつつけていく。
押し方の力の加減で、太くなったり、にじんだような線になったりするので、
それを細くきれいに出すというのが大変なところですね。」
塗料に金を蒔き仕上げますが、そのタイミングで出来が決まります。
「塗料の固まり具合がちょうど良い時。
その日の気候とか、気温によってもちょっと変わってくるんですけど、
ちょうど良いタイミングで蒔かないと、金色なんですけど、光り方が違うんですよね。
みなさんが丁寧に作ってきてくれたものなんで、
『自分が失敗してダメにしちゃったらどうしよう』とか、プレッシャーは色々あります。」
地元に根付く伝統の駿河雛具を作る大塚さんが共感する言葉…

「和衷共済」

心を合わせ協力して取り組むことを意味する四字熟語です。

「3月3日にお道具を一つずつ出して飾って、手に取った時に喜んでもらえるように、
みなさんと一緒に頑張っていきたいなというのはありますね。」