2020年3月10日放送

塩職人、佐藤京二郎さん。
四国で一番小さい町、高知県田野町で世界中のシェフが求める塩を作っています。
「“完全天日塩”という、入れた海水を混ぜながらひたすら蒸発を待つ
気の長い作り方です。」
作る料理の詳細を聞き、その料理専用の塩を作ります。
ひとつの箱の中で、粒の大きさが違う塩を生み出せるのが人気の秘密。
「ナトリウムひと粒ひと粒の中に空気がどれだけ入っているかで、
溶けやすい、溶けにくいの差が出てくるので、味は一緒だけど粒の大きさが違う塩を作る。」
他にも、料理の素材を海水に漬け込み、長いものでは2年をかけ、世界にひとつだけの塩を作ります。
「味見は、一切しないです。この子(塩)たちの匂いや水温で、目とか耳とか鼻で判断する。」
その秘けつは、塩の声を聞き、対話すること。
「まだ寝ている子は起こさないように。そこで触っちゃうともうダメ。
無理に起こされた赤ちゃんみたいに、急に結晶したり、急に大きくなったりする。」
まさに手塩にかけた、他にはない塩を作る佐藤さんが共感する言葉…

「信無くんば立たず」

中国の哲学者 孔子(紀元前551-紀元前479)の言葉です。

「ちゃんと心が通じる、言葉が通じると考えないと、
こういう仕事というのは、根気がいる仕事なので難しいですね。」