2020年3月17日放送

葉画家、群馬直美さん。
まるで本物のように描かれた、葉っぱの絵。
葉脈の1本1本まで精密に描く群馬さんは、
植物の葉を描く“葉画家”として世界で活躍しています。
「描くのは珍しい葉っぱじゃなくて、どこにでもある葉っぱ。見たまま描く。
葉脈の細い線とか、虫がかんだ口の跡まで描き起こしたい。」
その絵は、テンペラと呼ばれる古典技法で描かれています。
「顔料という色の粉があって、水で練ったものに卵を加えて、
自分で絵の具を作って描くんです。
乾くと耐水性になるんですよ。なので、上からどんどん細かく描きこめる。」
下仁田ネギの一生を追った作品は、3年半を費やし制作。
イギリスの権威ある芸術展
“英国王立園芸協会RHSロンドンボタニカルアート&フォトグラフィーショー”で
最優秀賞を受賞しました。
そんな群馬さんが葉っぱに出会ったのは、学生時代…
「新緑が芽吹いていて、それがちょうど太陽の光に透けて見えて、
すごく美しいなって思ったんですよ。
こういう美しいと思えるものを、みんなに伝えていけたらいいなって。』
38年間、葉っぱを描き続ける群馬さんが共感する言葉、それは…

「みんなちがって、みんないい。」

童謡詩人、金子みすゞ(1903-1930)の詩の一節です

「どんな小さい葉っぱでも、この世で1枚だけの葉っぱ。私が見た新緑から得たエネルギー、
そういうのがみんなに伝わったらいいかなと思います。」