柊奈智役の藤原紀香です。

視聴者のみなさん、こんにちは。藤原紀香です。
今回、私の演じた柊奈智は、生まれた時に母親を亡くし、愛情や人とのコミュニケーションを知る事なく、全能感の固まりのように成長し、大人になったとても不器用な人間です。
母の死は自分の責任、ギネドクターになることは贖罪と思っていて、ただ、誰よりも命の大切さを知ってしまっているからこそ、命に対する執着は尋常じゃなく、その過ぎた行動や言動に、強い賛否両論をいただきました。
私はその事はとても良い事だと受け止めています。

何故なら、今まで知る事のなかった産科の現状や命の問題をみなさんに知っていただき、「命」に対して みな、自分の意見を交わしあうとても貴重で大切な機会になったからです。
それは、最初のこのドラマの目的でもありました。
本当に危機的状況にある産婦人科の現状について他人事ではなく、私たちや未来の子供達の『命』の問題として捉え、考える事が出来た事は素晴らしい事で、このキャラクターがドラマ内で少しずつだけど人間らしく成長していく様を通して 伝わっていくのだろうと。

私自身も、このお話をいただいたとき、大石静さんや製作陣の描き出してくれた'奈智'というキャラクターの特異さに驚きました。
何かミラクルを起こしたり、完璧なスーパーウーマンではない、ドラマのヒロインらしくないヒロイン奈智。
命に対する考え方も医療や病院、患者と医者の関係に対する考え方もそれぞれで、どれが正解という事はありません。
その中で、びっくりするような台詞の数々を言ってしまう奈智という人の精神状態など、生い立ちからすべて理解し役に入っていくうちに、なんて奈智という人は、人間っぽいんだろう。大人のようで子どものままのところがあって、人として未完成で、たくさんの欠陥がある。周りから教えられていく、この新しいヒロイン像をこの脚本を信じ、何の迷いもなく生きていこうと決意しました。

それから、柊奈智として生きた87日間の撮影を通して、女性として、女優として、私自身も教えられ、かけがえのないいい経験をさせていただきました。このドラマに出会え、'奈智'を演じられたことに感謝し、このキャスト、スタッフと出会えたことを誇りに思っています。

視聴者のみなさん、そしてリアルを追求し、仕事の合間に駆け付けていただいた医事指導の現役産科医・'チームノーフォールト'の皆様、一緒に過ごしたキャスト&スタッフの皆様に感謝しています。みなさんあっての、奈智でした。ありがとうございました。

いよいよ今夜最終回放送となりますが、聖修大学の産婦人科の行方、ギネ達の行方、奈智の行方...そして...須佐見と一代、お腹の子の行方。。。
これからの'新しい産婦人科'がどうあるべきか、最後の最後まで、教えられる奈智を通して、みなさんにメッセージを送りたいと思っています。
ありがとうございました! 私の中で奈智は永遠に生きています。また会う日まで。

2009.12.09 00:00