放送内容

2016年11月16日 ON AIR

顔にコンプレックスを持つ女性

アメリカ・カリフォルニア州、ロサンゼルス。
ここにいま話題の人がいる。マリマール・キロアさん、22歳。


彼女はある病気のために、長年苦しんできた。
顔が肥大し、実は声を出すこともできない。


「猿のような顔」と呼ばれ酷な人生を送ってきた彼女。
だが、彼女はいまある世界でカリスマ的な人気者になっている。
しかも理由は、その"美しさ"を評価されてだという!


"猿"と呼ばれた女性。彼女が起こした人生の大逆転劇とは?


"生まれた時から試練の連続"


1994年。マリマールはこの世に生を受けた。
そしてその時から彼女の試練の人生は始まる。


初めて我が子と対面した時、両親はそれを知った。
大きくはれ上がった顔。いったい何があったのか?


医師によると、嚢胞性ヒグローマという病の症状がみられるという。
これは全身をめぐるリンパ管の形成異常で生じる病で、
水風船のような「嚢胞」が集まって塊をつくる。


発生する場所はリンパ腺の集中する首の辺りが多いが、全身どこにでもできる可能性がある。
大きさも数ミリから数センチのものまで様々。


嚢胞性ヒグローマの中身はリンパ液が主体で悪性の腫瘍ではなく、
他の健康な組織の害になるわけではない。


出来た場所や大きさによっては、手術で取り除いたり、薬で小さくしていくことも可能。
しかし、マリマールの場合は嚢胞が顔や喉の奥深くにあり、神経や血管が近いため
手術は、危険が伴うという。


かといって現状は巨大な嚢胞が気道や食道を圧迫していた。
このままでは呼吸や栄養補給がじゅうぶんに出来ない。
そのためマリマールは、生まれてから6か月間、病院の保育器の中で鼻から通した
チューブで呼吸し命を繋いだ。


その後、ノドに穴をあけ器具を挿入。
ここから呼吸する気管切開という方法が取られた。
同時にお腹にも穴があけられ、直接胃にカテーテルを通して、
そこから栄養をとるよう処置がされた。


現在に至るまで、彼女はそうやって命を繋いできたのだ。


成長するにつれ彼女を苦しめたのは、何よりもその"見た目"だった。
毎日のようにからかいの対象になった。


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マリマールは、耳は聞こえる。辛い言葉も分かってしまう。
しかし声を出せない彼女はどんなに悔しくても言い返せなかった。


自分が周りとは違うんだと理解し、それを受け入れて生きていくしかない。
からかわれないよう顔を隠すようになったが、それでも休まず学校にも通い続けた。


"メイクに出会い、人生が変わる"


思春期を迎えると、同世代の子たちは恋愛に興味を持ち始める。
しかし彼女は、それは自分には縁のないモノだと言い聞かせるしかなかった。


そんな彼女はこの頃、姉が買っていた雑誌に興味を抱いた。
マリマールはその雑誌を見て、どうしてもやりたいことがあった。


ある日、姉の部屋に入った時...その機会が訪れた。
視線の先には姉のメイク道具。彼女が憧れていたのはメイクをすることだった。


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初めてのメイク、やり始めると夢中になっていた。
気が付くと、鏡の中にはいつもとは違う自分。少しだけキレイになったと思えた。


ほどなくして姉が部屋に戻ってきた。
慌てて顔をそむけ隠そうとするマリマール。
しかし、姉はその姿を見てカワイイと一言。初めて見た目を褒められた。


この日から、マリマールはメイクするのが大好きになった。
日々、研究を重ねてメイクの腕はメキメキと上達。すると彼女にある思いが芽生えた。


今まで、顔にコンプレックスを抱え、隠れるように生きてきた。
そんな自分を変えたい...そう思い始めたのだ。


"動画投稿で一躍人気者に!"


そして彼女は大胆な決断をした!!
それは...自分がメイクする様子を撮影して動画投稿サイトにアップすることだった。


マリマールの動画はたちまちネットで話題となり多くのコメントが寄せられた。
コメントはほとんどが彼女を熱狂的に支持するモノばかり。


マリマールは初めて自分の存在が認められた気がした。
そして彼女は更なるチャレンジをする。
ある日、ネットで見てひどく興味をもった「ズンバ」というエクササイズ。
今、欧米で大人気のエクササイズだ。


見よう見まねで始めると、どんどんのめり込み、講師の資格まで取得。
なんと大勢の生徒を前に教えるほどになった。


そして現在も彼女は動画投稿を続けている。
動画の閲覧数は既に250万回。新しい動画を待ちわびる声が日々寄せられている。


動画投稿をきっかけに180度変わった彼女の人生。
部屋に閉じこもっていたのが嘘のように、彼女は積極的になった。
現在は独学だったメイクを本格的に学ぶため、学校にも通っている。


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いつかメイクのセミナーを開くまでになりたいと彼女は語る。
彼女はきっとこれからも力強く、人生を切り開いていくことだろう。

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