放送内容

2017年3月 1日 ON AIR

謎の男に操られ同級生を刺した少女達

2014年5月31日。アメリカで、ある衝撃的な事件が起きた。
ウィスコンシン州の森で、一人の少女が19か所も刺され、瀕死の状態で発見された。


少女は、幸いにも一命を取り留めたのだが...。
数時間後に逮捕されたのは、被害者の同級生2人。共にわずか12歳。
この残忍な犯行は、アメリカ中を震え上がらせた。
逮捕後、2人の少女は、取り調べで驚くべき事を口にしたのだ。


少女M「やらなければ彼に何かされてしまうと思ったの」


少女達が口にしたのは「スレンダーマン」。
彼女たちが恐ろしい犯行に至ったわけは、信じられないものだった!


"少女たちが夢中になった「スレンダーマン」"


事件の8か月程前のこと。
後に同じ中学校に通い、犯行に及ぶ二人の少女。


周りからは変わり者だと見られ、友達はほとんどいない。
それは、もう一人の少女も同じだった。
クラスでは、からかわれる対象だった。


学校で疎外感のあった2人は、スクールバスで出会い、話すようになった。
お互いどこか似ている。すぐに意気投合した2人。
互いにかけがえのない存在...そんな2人は、密かにあるものに夢中になっていた。


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はまっていたのは、いわゆる都市伝説をまとめた、オカルトサイト。
特に心を奪われたのが...『スレンダーマン』だった。


身長は2メートルから3メートルの巨人で、手足が異常に長く、顔はない。
ときに背中からたくさんの触手を伸ばし、子どもをさらうという。


2009年にインターネットサイトに加工画像が投稿されたのが
スレンダーマン伝説の始まりだという。


ネット上では作られたスレンダーマン情報が拡散。
蓄積され...いつしか行動パターンも定着、彼は子どものいるところに現れ誘拐する。
瞬間移動ができ、「プロクシー」と呼ばれる手下がいる。


ネット上で競うように作り上げられる、スレンダーマンの姿。
目撃情報まで相次いだ。


"空想と現実が混ざり合った狂気の殺人計画"


オカルトの世界に、内気で空想好きな2人は魅了された。
2人の絆を強くする、彼の力。
誰にも邪魔されないネットの世界で、少女2人はスレンダーマンにすがるように熱狂し、ともに楽しみ、ともに怖がり、ともに信じるようになる。


架空の怪人だと思っていたはずが、にわかに感じる現実味。
子どもをさらうスレンダーマンが、もしかしたらそばにいるのではないか?


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本当のようなウソが、少女の中でウソのような本当に。
そう考えれば、そう思えてしまう世界で2人の少女は、
ますますその男にのめり込んでいった。


彼の存在を信じない人のほうが不思議に思える。
そんな言動が学校ではますますからかわれ、自分だけでなく彼が馬鹿にされたように感じた。
そして思う。みんなを見返したい。


そんなとき、少女たちはある情報を目にした。
自分たちがプロクシーになればいい。
プロクシーとは、スレンダーマンの手下とされている存在。


プロクシーになれば、彼に会える。そうすればみんな信じてくれるはず。
プロクシーになる方法...それはスレンダーマンに自分たちがプロクシーに
ふさわしい存在だと証明すればいい。つまりそれは人を殺すという事だった。


それはもちろん、とんでもないことだとはわかっていた。
それでも周囲を見返したい。スレンダーマンのプロクシーになりたい。
その思いが強い2人は、殺人計画を練り始めた。


2人の考えた計画。それは誕生日に同級生をお泊まり会に誘い、狙うというもの。
危険な秘密を共有することで、ますます親友とつながった気がした。


"都市伝説に魅了された少女たちの末路は?"


準備は着々と進んでいた。
恐ろしい計画のターゲットになったのは、片方の少女の幼なじみ。
もう一人の少女とも顔見知りだった。


そして...犯行は行われた。
少女達はこの日、近くの森で遊ぶ約束をしていた。


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かくれんぼのような遊びをして視界をふさぎ、狙うことにした。
木陰に隠れていた同級生を襲い、家から持って来たキッチンナイフで同級生の
全身19か所を刺した。
刺し傷のいくつかは、臓器にまで達する深いものだった。


これで願いが叶う...そう信じて、あてのないスレンダーマンの屋敷に向かったという。
一方、刺された少女は...力を振り絞って、道の近くまで這い出し、
そこを通りかかった男性に発見され、男性は911に通報。


すぐに救急搬送され、一命を取り留めた。
心臓付近の刺し傷は、あと1mmずれていたら命の危険もあったという。


その後すぐに、少女たち2人は歩いているところを発見され逮捕されることとなった。


わずか12歳の少女達による残忍な犯行は全米に衝撃を与えた。
主犯となった少女の両親はテレビ番組のインタビューで、
中学生の娘がスレンダーマンを信じているなんて思わなかった、と語った。


空想の怪人に取り憑かれ、友人を刺した2人の少女達。
しかしスレンダーマンは少女達に何もしてくれなかった。


事件から3年が経過したが、まだ裁判は始まっていない。
ウィスコンシン州の州法は、第一級殺人未遂罪の場合、10歳以上で成人と同じく扱われ、有罪となれば、最高65年の禁固刑となる。


弁護側は少年法で裁かれるべきだと主張。
この夏、裁判が始まる予定だ。

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