放送内容

2018年3月 6日 ON AIR

肉アレルギー発症のきっかけはある生き物

毎日ごく当たり前に口にしている食材、
それがある日、突然危険な食べ物になってしまうことがある。


その原因は思いもよらぬ意外なものだった!


肉を食べると蕁麻疹が


島根県東部の雲南市。
2005年9月、食べ物など一切気にせず食べていた女性の身にそれは起こった。


彼女は夫と昼食に入った店で豚の焼肉定食を注文。
おいしくて大満足だったが、3時間ほどたった後...突然体にかゆみが!


ふと見ると、腕にびっしりと蕁麻疹が出来ていた。
それは首元やお腹など、かなり広い範囲に。


病院へ向かうと、疲労からなる急性蕁麻疹と診断され、
抗ヒスタミン薬の注射を打ってもらい、塗り薬を処方された。


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しかしひと月後、家ですき焼きを食べた2時間後...また猛烈な痒みと蕁麻疹が。
さらにその2か月後も同じ症状になった。その時食べたのは牛モツ鍋だった。


幸い、注射と塗り薬で毎回症状は収まってはいたが、原因は何なのか?


最初は夫と立ち寄った店で豚焼肉定食を食べた後...
2度目は、家ですき焼きを食べた後...
そして3度目はもつ鍋の後...どうやら肉を食べると症状が出る。


この事から、それ以後は魚中心の食生活に変えた。
すると症状はピタリと出なくなった。


だが3か月後...突然また、あの症状が発生!
肉は一切口にしていないのに、なぜ?


なぜ魚料理でもアレルギーが?


今回は今までの症状とは何かが違うと感じていた彼女。
病院で治療を待つ間にアナフィラキシーショックを起こし、意識を失ってしまう。


意識が戻った時にいたのは病室のベッドの上だった。
後日、彼女は初めて詳しい検査を受けることに。


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検査してみるとやはり彼女は牛肉、豚肉に対して著しい反応がでた。
しかし今回彼女が食べていたのは、カレイの煮付け。魚料理だったのだ。
医師はカレイ、もしくは魚に寄生するアニサキスがアレルギー反応を起こしたのではないかと疑ったが・・検査でいずれにも反応は出なかった。


実は彼女があの日食べたカレイとは、冬の産卵期でお腹に卵をたくわえた
いわゆる『子持ちカレイ』だった。


今度はカレイの魚卵でテストをしてみると、しっかりと反応が出た。
実は、牛肉・豚肉のアレルギーを発症する人は、カレイの卵にもアレルギーを発症することが分かったのだ。
よく似た別の抗原にもアレルギーが出ることを交差反応という。
牛肉・豚肉とカレイの卵のアレルギーにもこの関係があったのだ。


ちなみにイクラ、タラコ、よく食べられる他の魚卵は食べても問題ないらしい。
食の楽しみはちょっと減ったが、食べていけないものがはっきりしたことで、
その後、あの女性は平穏な生活を送っている。


だがこのアレルギーには、さらに意外な原因が!
なんと牛肉アレルギーやカレイの卵アレルギーの大きな原因は、マダニだった。


山林や草むらに住み、動物や人の血を吸うマダニは肉アレルギーと同じ抗原を持っており、
マダニに咬まれたことがきっかけで、肉などにアレルギー症状を起こしてしまうというのだ。


肉が好きならマダニに気をつけて!

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