放送内容

2018年5月 1日 ON AIR

海を自由に歩く謎の民族

これまで仰天ニュースはさまざまなところに住む驚きの民族を訪ねてきた。
山道を力強く走るララムリ族。
木の上に家を建て超原始的な生活を送るコロワイ族。


そして今回は太平洋!
この大海原に「リアル半魚人」と呼ばれる民族がいる!一体どんな人たちなのか!?


半魚人と呼ばれる理由とは


仰天スタッフが向かったのはインドネシア。
日本から8時間かけてジャカルタへ。そこから国内線を2回乗り換えスラウェシ島へ。
まだまだ移動は続く。


田舎道をひたすら走ること2時間で港へ到着。
ここからフェリーでなんと4時間、さらに小型船に乗り換え1時間。


するとようやく目的の集落が見えてきた。
日本を出てから2日が経っていた。
ここにいるリアル半魚人と呼ばれるバジャウ族は一体、どんな人たちなのか?


集落に近づくと、何と全ての家が海の上に建っている!!
サマ・バハリ村。1984人ものバジャウ族がここで暮らしている。
果たして「半魚人」のような人が本当にいるのか?


集落の中へ足を踏み入れると、前方に住民の姿が!
近づいて行ってみるとそこにいるのは普通の人。やはり半魚人の姿の人などいない。


とりあえず、この村で"一番半魚人"と言われる人を探すことに。
すると...皆、口を揃えてラウダだと言う。


ということで、すぐに連絡を取ってもらい、集落の外れにあるラウダさんのお宅へ。
出迎えてくれたのが、噂のラウダさん(45歳)。
普通の人すぎてスタッフも最初は素通りしてしまった。


それにしても一体なにが半魚人だというのか?
そんなラウダさんが持ってきたのは、木と鉄で作った自作の水中銃とゴーグル。


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この2つを持って海に出る!!さっそく同行させてもらうことに。


船を走らせること20分。
ポイントに着いたとたん、彼は服を脱ぎ出しパンツ一丁に!


水中銃を受け取るとラウダさんは海に消えた。
そして、時間だけが過ぎていく。


もしやヤバいのでは!?と心配し始めたタイミングで戻ってきたラウダさん。
しかも見事にその手には魚が。


それにしてもずいぶん長い間水中にいた!
どうやって潜っているのか?


ラウダさんによると、大きく息を吸って下まで潜って行って歩いているのだという。
実は、これが半魚人と呼ばれる理由だった!


10メートルほどの海底をゆっくり歩きながら獲物に狙いを定めると楽勝で魚をゲット。
おもりをつけているわけではないのに、なぜか浮かずに歩いている。


そしてゆっくり海面へ戻っていく。この間1分30秒。
こうして毎日魚を獲って生活している。ラウダさんは漁師なのだ。


バジャウ族の豪快な魚料理を紹介


実はこの海底歩き、バジャウ族に伝わる伝統的な技。
バジャウ族の男なら誰でもできるらしいのだが、ラウダさんが一番の名人だという。


それにしても、本当に水中なのか疑いたくなる程スゴイ!
さらにスゴイのが...魚がいないから普段はやらないが、潜ろうと思えば、
20メートル以上潜れる。


ラウダさんの水中の様子を見ると、確かに息を吐きながら潜水している。
肺にはギリギリ体が浮かび上がらない程度の酸素を残し、海底を歩いていた。
この日はさらに大物をゲットし、家族の食事分を確保すると、意気揚々と家へ。


獲ってきたハコフグを調理するのは、妻のジュリさんの役目。
豪快に包丁を振り下ろし、そして豪快に肝を捨てる!


調理法はただ焼くだけ。塩コショウなどの味付けはない。
魚が焼けるまでの間、日焼けしたスタッフにジュリさんがあるものを塗ってくれた。


それはターメリックとお米を混ぜたもの。日焼け止めの効果があるという。
さらにシミやくすみにも効き、美肌効果があるともいわれている。
皆こうして強い日差しから肌を守っているのだ。


焼けたハコフグはバジャウ族にとって一番のごちそう。


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魚が余れば売って金にするが、毎日家族が食べる分だけ獲って来るという。


リアル半魚人は生涯現役!


それにしてもなぜこんな海の上に集落がつくられたのか?
実はかつてバジャウ族は船の上で生活していた。


どの国にも属さず、インドネシア、マレーシア、フィリピンの3か国の間を
自由に回遊していたのだが、近代化が進むに連れてそうも言っていられなくなり、
各地に散らばり定住し始めた。


干潮満潮関係なく船がつけられることが彼らにとっては重要!!
そんな集落の生活はというと...けっこう不便な事ばかり。
水道管はあるものの、水が出るのはひと月に数回だけなのでためて使っている。


電気も通っているが、使用できるのは午後5時から11時までの間だけ。
これまでこの村はほとんどの家庭がこのような漁で生計を立ててきた。
しかし最近、ある変化が起こり始めているという。


その理由は村で育った子どもたち。
彼らに将来の夢を聞いてみると、なりたいのは学校の先生や医者などなど。
この村で漁師をしたいと言う若者には出会えなかった。


将来、半魚人と呼ばれたバジャウ族の漁の伝統は消えてしまうかもしれない。


夜、取材を終えた仰天スタッフをラウダさんはもてなしてくれた。
酒を酌み交わし、気を良くしたラウダさん。


席を外すと...なぜかヅラを被って登場。
すると、なぜかクネクネし始めた!!


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謎のダンスを繰り返し、踊り始めたラウダさん。
海ではあんなに勇ましい男だったのに。
クネクネする一家の大黒柱を見た家族も親戚も全然笑っていない。


海とともに生きるリアル半魚人・ラウダさんは生涯現役を貫き通すという。

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