放送内容

2019年5月21日 ON AIR

不思議の国を体感する恐怖

芸人「本日は晴天なり」こと栗田育美...彼女は不思議な症状にずっと悩んできた。


物心ついたころから熱を出したりすると、その症状は現れた。
家族はすぐ隣で寝ているのに...部屋が伸び、すごく遠くにいるように見える。


ある時には、自分の体の一部が...どんどん大きくなる。
実際にそう見え、感じる。
部屋に入りきらなくなるのでは...とすごく不安になった。


家族には「夢でも見たんでしょ」と言われるだけのような気がして言えなかった。
実は彼女のこの体験...今も解き明かされていない、不思議なある症候群だったのだ!


そして、栗田と同じ症状に苦しむ少女がいた。
その母が、北本貴子さん。


彼女は、2002年に長女を出産した。
そして娘が4歳のある日...体調の異変を訴えた。


早めに寝かしつけたその直後...娘の部屋から悲鳴が!
かけつけてみると、娘が何かにおびえていた。


そして、なぜか母である自分をひどく怖がる。
実は、娘の目に映った母は、顔がゆがみ、巨大化していた!


こんな興奮状態から数十分経過し、娘は疲れたのかようやく眠ってくれた。
尋常ではない様子...しかし貴子さんには、なぜあんなに怖がったのかわからなかった。


翌朝...なんと娘は昨夜のことを何も覚えていなかった。
しかしその後も...熱を出すたび、同じ状態に。
こうなると、貴子さんのことを怖がり、逃げ惑う。


しかし、外ではむしろ他の子に比べおとなしく、手のかからない子だという。
成長すればおさまることかもしれない。そう考えて...6年が経った。
兄弟もできて、ずいぶんとしっかりしてきたが、熱を出すとあの症状が出た。


一番怖いのは...母である自分?


しかし小さい頃とは違い、どういう異変が起きているか話せるようになった娘。
どうやら熱を出し、寝ようとすると...部屋の壁がすごく先にあるように見えたり、
小さな物がとてつもなく大きく見え、それがすごく不安だったという。


だが、実は一番怖いのは...母である貴子さんだという!
不思議な世界にいるとき、娘の目には...ママの顔が巨大化して見える!


本人にとってそれはとてもつらいこと。
今日は普通に見えても、またいつあの不思議な世界が見えてしまうのかと、
とても不安だった。


そんなある日...つけっぱなしだったテレビ番組で気になる特集を放送していた。
それはある症状に悩んでいる家族を取り上げた番組だった。


ものの見え方が実際と違って感じられてしまう...という症状。
『不思議の国のアリス症候群』という名前がついているという。
自分の娘と、同じ症状だった。


『不思議の国のアリス症候群』。
それは、目に異常があるわけではないのに、
ものが大きくまたは小さく見えたり、距離が違って見えたり、視界がひずんだように
感じられるものなど、症状は実にさまざま。


「不思議の国のアリス」で、アリスの体が大きくなったり小さくなったりすることにちなみ、
名づけられたものだが...実は作者のルイス・キャロル自身にこの症状があり、
自分が経験した世界を書いた...という説もある。


ほかにもピカソや、作家・芥川龍之介らにも、これと似た症状があったという説も...。
ピカソのあの独創的な作品は、この症状の産物だったのかもしれない。


貴子さん夫婦はその後、詳しくこの症候群について調べた。
この症候群の症状そのものへの治療法は、いまだ確立されていないと知った。


そんな時...また娘が熱を出した。
オロオロするばかりの貴子さんをよそに、夫が...驚きの行動に出た!


夫は、母を怖がる娘の様子を携帯で撮影し始めたのだ。
翌日、娘にその動画を見せた。自分を客観視させてみようという考えだった。


20190521_01_02.png


すると、動画を見た娘は笑い出した!
ママの顔は大きくなんかない。なのに怖がる自分。
娘は...何度も何度も繰り返し見て、楽しげに笑っていた。


これが何かのきっかけになったのか、娘の症状は変わらないものの、
以前のようにパニックにはならず、落ち着けるようになったという。

バックナンバー一覧