放送内容

2019年5月21日 ON AIR

気持ち悪くなるのが恐怖の女性

大阪に住む30歳のユアさんは、ひどくつらい恐怖症に悩んでいる。
彼女はその恐怖症のせいで...咳き込む人が怖くなり、ある場所にも近づけなくなった。


それは...居酒屋。
さらに...逃げ場のないバスや電車には、乗っていることが出来ない。


彼女が恐れていたものとは...「吐き気」だった。
嘔吐を「人に見られてしまったらどうしよう」という想像から、異常な恐怖心を抱き、
そのせいで、生活に大きな支障が出る病気。


過去に人前で吐いてしまった経験などがトラウマとなり、過度な緊張状態となる。
その緊張が吐き気を引き起こし、その吐き気によってさらに不安になる。
悪循環になっていた。


この恐怖症に悩む人は多く、仰天ニュースにも数多く寄せられている。
しかし、認知度はまだ低く、理解されずに苦しんでいる人も。


彼女がその恐怖を感じ始めたのは、高校生の時だった。
学校から家に帰ると...吐き気が。


体調は悪化し、病院へ。診察を待っている間も吐き気は治まらない。
女性は心の中でこう思った...「こんなところで吐いたら、周りの人に迷惑かけちゃう」
そんな不安が心を支配した。


診断結果は、胃腸炎。
しかし...なぜか吐くことに異常な抵抗を感じた。


母のつらそうな姿がきっかけだった


彼女の場合、幼少期のある記憶に原因があった。
それは母が一時期、体調を崩していた時のこと。


夜になると...母が吐く姿を目の当たりにする。
彼女はこの時、「お母さんが死んじゃう...」と恐ろしくなった。


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この母の苦しそうな様子が少女のトラウマとなり、「嘔吐」が「怖いもの」として、
潜在意識に残ってしまった。


やがて嘔吐に対する異常な恐怖心が、様々な場面で勝手な連想をしていく。


彼女にとっては、冬が恐怖。
もし自分が感染症にかかって吐き気をもよおすことを考えると...怖くて仕方なかった。


嘔吐恐怖症の人達にとって、毎日の生活は恐怖をあおるもので溢れている。
人前で吐いてしまう恐怖心から、みんなと食事をとることができず、
吐き気にとらわれ、食事をまともにとれなくなる人も。


彼女は27歳で、ある男性と結婚。
彼には嘔吐恐怖症のことも打ち明けた。


しかし彼女には、ある不安が。
それは妊娠...。彼女の脳裏に浮かぶのは、つわりだった。


だが、彼との子は諦めたくない...彼女はある決断をする。
2017年、彼女はつわりの恐怖を乗り越え、長男を出産。


家族のために、彼女は恐怖症を克服しようしている。

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