放送内容

2019年6月11日 ON AIR

ボロボロの犬 あなたならどうする?

2017年12月23日、アルゼンチン・ブエノスアイレス。
この町に住むピア・ロッツァーノはクリスマスプレゼントを渡すため友人宅に来ていた。


そこでこんな話を聞いた。
この近くにやせ細ってひどい状態の犬がいるのだという。


話によれば、その犬を多くの人が捕まえようとしたもののうまくいかず、
4日後には保健所が捕獲する予定になっているとのこと。


心配になった彼女は、食べ物を与えようとその犬を探した。
よく現れるという場所に行くと...噂通りやせ細った犬がいた。


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まさに餓死寸前...体はやせ細り、毛は抜け落ち、目はうつろな状態。
真夏なのに寒さで震えていた。
すでに動く力も残っておらず、民家の片隅で力尽きた様子だった。


その姿にピアは、ここに残しておいたら命は助からないと思い、
その犬を動物病院へ連れて行った。


獣医からもあと2日、もつかどうかという診断が。
重度の栄養失調で脱水症状も起こし、命の危機が迫っていた。


さらに、ダニの感染症にかかり皮膚がただれて、全身にかさぶたができた状態。
毛が抜け落ち、唯一残っているのは背中の一部だけ。
体重を計ると...およそ3.8kg。歯の状態から1歳半と推定された。


貧血がひどく、さらに肝臓と腎臓などもかなり弱っていて、このままではもう助からない。
それでも一応、抗生物質の注射をお願いし、なんと彼女は自宅へ連れて帰った。


ピアはなんとか生きてほしいという願いを込め、この犬を「ヘラクレス」と名づけた。


心のこもった介抱...ヘラクレスの命は?


まずは、皮膚疾患用のシャンプーで体の汚れを落とした。
そしてご飯を与えようとしたが...もはや食べる力は残っていなかった。


やはりダメかと思った時!
なんと、願いが通じたのか、少しずつ水と食事がとれるように...。


栄養失調の犬の場合、急にご飯を食べさせると消化できずに嘔吐や下痢、胃や腸が痙攣を起こす可能性があるという。
そこで夜も3時間おきに少しずつ食事を与えた。


農業関係の会社で事務の仕事をしていた彼女の生活は一変した。
昼も夜も3時間おきにご飯。
歩くことができないので体勢を変えてあげることも忘れない。


夜はヘラクレスの横のソファーで寝た。
そんな生活が2週間。なんと、自力で立ち上がることができた。
そしてついに...フラつきながらも歩けるように!


瀕死の状態から生きる力を身につけたのだ。
ピアは涙が止まらなかったという。


それからの回復ぶりは目覚ましく...日に日に体力をつけていったヘラクレス。
元気に走りまわり、外の散歩もできるようになり体重も増えていった。
そして...なんと、体の毛も生えてきた!


あのときの出会いがなかったら、この奇跡は起きなかった。
たった一人の女性が小さな命を救ったのだ。


4か月間ですっかり別の犬のようになったヘラクレス。
以前の面影は全く残っていない。


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この奇跡の回復に彼女は、クリスマス直前に出会ったヘラクレスは、自分にとって最高のクリスマスプレゼントだったと語る。


ピアの諦めない気持ちが、命の危機に瀕した犬に奇跡を起こした。

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