「当時はひとり息子だったけど…遺言トラブル!」

今回の相談者は、3人兄弟の長男・池田健一さん(35歳)

先日父親が亡くなり、その遺産を分けるために
久々に兄弟みんなで集まった。

 三男 「お袋もすでに亡くなっているわけだし、
     親父の遺産は俺たち兄弟3人で
     平等に分ければいいんだよな」

すると長男・健一が…
 健一 「実は父さん、遺言書を残していたんだ」

 次男 「えっ、何て書いてあったんだ?」
この遺言状には、驚くべき事が書かれていた!

 健一 「よし、読むぞ。
     『遺言者・池田文太郎の有する財産は…
     ひとり息子、健一に相続させる』」
 次男・三男 「えっ?」

何と父には子供が3人いるにもかかわらず、
遺産は全て長男の健一ひとりに譲るというのだ。

 次男 「どういうことだよ!」
納得のいかない弟たちが改めて遺言書を確かめると…
 三男 「これ、35年も前に書いた遺言書じゃないか!」
 次男 「しかもこの日付け、兄貴が生まれた日だぜ!」

この遺言書が書かれたのは念願の長男が生まれた日で、
当然この時点では次男と三男はまだ生まれていなかった。

 健一 「これが父さんの意思だ。
     だから遺言通り、遺産は全て俺がもらうよ」
すると弟たちは…
 三男 「この遺言書は俺たちが生まれた後、
     親父が書き直すのを忘れていただけだろ!」

確かにその可能性は高いが、今となっては確かめる方法はない。

 次男 「兄弟全員が生まれる前に書いた遺言状なんて無効だろ!
     兄貴、遺産はきっちりみんなで分けてもらうからな」

 健一 「いいや、いくら古くても形式に何ら不備は
     ないんだから絶対に遺言通りだ!」
果たして、遺言書どおり遺産は3人で分けずに長男・健一だけのものになる?

 
長男のもの
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