「カミングダウト」に関するお詫びと調査報告

 2月15日23時40分から24時20分に放送した番組「カミングダウト」におきまして、不適切な内容の放送が行われました。未成年タレントが過去に集団で窃盗をはたらいたという案件を題材にしたものです。こうした題材を取り上げた点、また、複数回のチェック機能が結果として働かないまま放送されてしまった点については、弁解の余地がなく、視聴者及び関係者の皆様に深くお詫び申し上げます。

【経緯】
 この番組は、タレントが様々な話をし、その内容が真実かウソかをクイズ形式で展開するバラエティー番組です。今回、番組担当者は、まず未成年タレントとマネジャーの立会いのもと数回の打ち合わせを重ねました。打ち合わせの席でタレント側から複数の話題が出ましたが、その中に過去に窃盗をはたらいたことがあるという話が出され、番組担当者はこれを題材に番組を構成しようと考えました。その後番組会議、収録直前の打ち合わせ、さらには番組収録、収録後の下見を経ました。この間、未成年タレント事務所側は、窃盗という犯罪行為を告白することについて、若干の懸念を表明しましたが、この題材を扱うことを積極的に拒否するまでには至らなかったことなどもあり、番組担当者はこの題材をクイズ形式で放送することを決めました。
 番組収録後の下見の際、番組担当者の判断で「万引きは犯罪です。絶対にやめましょう。」とテロップで表記し、ナレーションを加えるなど放送上の配慮をしたものの、この題材で放送に至ってしまいました。

【検証】
 本件の最大の問題は、子供の頃の万引きとは言え、窃盗という犯罪行為を番組の題材として取り上げた点であります。犯罪行為については、これを肯定したり、面白いものとして取り扱ったりしないよう注意すべきことは、公共の電波を預かる弊社としては、当然の事であり、番組作りは、バラエティーと言えども社会通念から外れてはならない事も自明の理であります。従って、今回の放送内容は放送基準の精神にもとるとの誹りを免れないものです。また、担当者がタレントとの最初の打ち合わせの段階でその話では番組は出来ないと判断して、その旨を明言すべきだったのであり、番組制作に当たっての基本ができていなかったと言わざるを得ません。また、出演者が未成年タレントであり、自らの体験談を誇張して述べていないかどうかについても十分な検討が行われませんでした。更に、経緯でも述べましたが、打ち合わせ後の番組会議、収録、下見等で、当然行われるべきであった管理職レベルのチェックや審査担当部署への事前照会など、基本的な作業が抜け落ちていた事も判明しました。弊社としましては、日頃から、番組制作をはじめコンプライアンスの啓発を進めていたところで、今回の事案についてはその徹底を欠いていたと申し上げるほか無く、誠に申し訳なく思っております。

【社内対応】
 番組担当者は、今回の問題について深く反省していますが、弊社のコンプライアンス憲章に反し、放送人としてのモラル及び緊張感が欠如していた事実は否めません。弊社といたしましては就業規則等に照らし、番組関係者には厳正に対処する考えであります。

 このような事態を引き起こしたことについて、視聴者及び多くの方に重ねて衷心よりお詫びを申し上げると共に、今後再びこのようなことのないよう社員教育の徹底を図る所存です。
2005年2月22日
日本テレビ放送網株式会社
編成局長 渡辺 弘



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