日本テレビグループ 中期経営計画(2008-10年度)の概要について

(08.5.15)

当社は、2006年5月の中期経営計画(2006-08年度)の策定以来、収益力の回復・拡大を目標に様々な取り組みを実施してきました。事業環境の変化が激しい中、経営戦略を柔軟に見直してゆくことが肝要と考えており、今般、これまでの取り組みも踏まえて、中期経営計画(2008-10年度)を策定しましたので、お知らせします。

1. これまでの取り組みの成果

  1. ここ2年間、大胆且つ積極的な番組改編による視聴率の改善を図ってきました。足元ではこの効果で、視聴率の上昇基調が明確になっています。2008年1月には4冠王、3冠王を獲得、また、4月のゴールデンタイムは月間NO.1(キー局トップ)を獲得するなど、視聴率の改善傾向も顕著であり、スポット収入のシェア回復につながっています。
  2. 「放送外収入で伸び率NO.1」の目標に対しましては、これまでのところ、通販事業、映画事業などで大きな成果が上がっています。
  3. 売上高の拡大を図る一方、徹底したコストコントロールも進めてきました。引き続きメリハリの利いた費用の配分を行います。

2. 中期経営計画(2008-10年度)の基本方針

 中期経営計画(2007-09年度)をベースにこの度策定した中期経営計画(2008-10年度)において、「放送事業を軸に最強の総合メディア企業として、発展・成長を続ける」という経営の基本方針に変更はありません。
 長期目標では、従来の「当グループのコンテンツが質・量においてNO.1の評価を得ること」、「これらのコンテンツがあらゆるコンタクトポイント(ユーザーとの接点)で、最優位のポジションを得ること」、「放送外事業をさらに拡充して収益源の多様化をすすめること」に加え、新たに「業界NO.1の生産性を確保すること」を挙げ、企業としての信頼を維持・向上し続けることを目指します。
 中期目標においては、引き続き「視聴率・放送収入NO.1」、「放送外収入伸び率NO.1」、「コンテンツ流通NO.1」、「顧客満足度NO.1」の4つのNO.1=総合優勝を目指します。視聴率トップ奪還の目標、ならびに放送外収入伸び率NO.1の目標は今次計画初年度(2008年度)の達成を目指しています。

3. 計数目標の見直し

 新目標(2008-10年度)では、従来目標(2007-09年度)と比べて、放送収入については広告市場の構造変化を厳しく受け止めながらも、視聴率の改善などを前提に、トップシェアの奪還に重きを置き、目標数字を据え置きました。放送事業収入全体の目標値が微減となったのは、グループ会社の再編や、IT関連事業において、事業の組替えを行ったことによります。
 一方、放送外収入については、過去2年間の取り組みの成果や各事業の現状などを勘案し、事業ごとに見直した結果、目標を引き上げました。
 売上高は微増ですが、コストコントロールを利かせて利益率を改善し、より高い経常利益の確保を目指します。

<中期経営計画2008-10計数目標>

  2007年度(実績) 2009年度
(従来目標・
参考値)
2010年度(目標) 07→10
成長率
(年率)
連結売上高
  テレビ放送事業収入
      放送収入
  放送外収入
3,422億円
2,619億円
2,426億円
803億円
4,260億円
3,160億円
2,800億円
1,100億円
4,270億円
3,100億円
2,810億円
1,170億円
7.7%
5.8%
5.0%
13.4%
連結経常利益
 (経常利益率)
267億円
7.8%
460億円
10.8.7%
500億円
11.7%
23.3%
テレビ放送事業収入の売上構成比 77% 74% 73%  

4. 新計画での取り組みのポイント

  1. プライムタイムの一桁番組の撲滅を目指すなど、タイムテーブルの構造改革を更に推進し、今次計画初年度に視聴率NO.1奪還を目指します。
  2. 積極的な人事交流を進めるなど、本社・グループ一体となった制作体制の充実やクリエーターの育成を行い、コンテンツ創造力の一層の強化を図ります。
  3. 放送外事業においても、今次計画初年度に、同業他社に比べて伸び率NO.1を目指します。映画事業、通販事業など成長路線に入ってきた事業を更に伸張させます。映画事業においては海外配給も視野に入れたビジネス展開に取り組みます。
  4. マルチコンタクトポイント戦略 (注)のさらなる推進を目指して、グループ一体となったコンテンツのマルチ展開を加速させます。
    (1)「東京マラソン2008」のマルチ展開は当社グループの「発明品」です。
      地上波に加え、PCサイト・携帯サイト・CS放送などを駆使した全社を挙げての
      取組みが成功しました。今後もこのような全社的な取組みを推進します。
    (2) マルチコンタクトポイント戦略をより推進するため、メタデータ準備室を
      開設しました。
    (注)マルチコンタクトポイント戦略とは、ユーザーがあらゆる媒体を通じて
    「いつでもどこでも」当社のコンテンツに接触できるようにする戦略。
  5. ワンセグ独自番組の解禁を受け、「ワンセグプレミアムナイター」などのトライアルを通じ、新規サービスの可能性を見極め、早期の事業化を模索します。

5. 財務・配当政策

(1) 重要な経営指標 ⇒  「売上高経常利益率」
(2) 配当性向(個別) ⇒  「50%」(下限180円)

当社は、継続的な企業価値の向上を重視し、利益還元については長期的な事業発展に留意しつつ、 業績を反映し、適正かつ安定的な配当を行なうことを基本方針としています。

以上