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番組向上への取り組み

放送番組審議会

2012年10月番組審議会概要

10月23日に行われた、第462回『日本テレビ放送番組審議会』は
10月13日、土曜の夜9時から放送を開始した連続ドラマ『悪夢ちゃん』についての合評が行われました。

合評に先立って、社側からBPO・放送倫理番組向上機構の放送倫理検証委員会から、日本テレビのバラエティー番組に対して出された意見書の内容。
及び、それを受けて日本テレビが取り組む対策についてと、4月から9月にかけての番組種別の放送時間に関しての報告がありました。

ドラマ『悪夢ちゃん』とは人を信じない女教師が、「予知夢」で未来が見えてしまう少女と出会ったことにより、現実世界に訪れる、悪夢のような危機を救うことになっていく、という、コミカルなSF学園ファンタジードラマです。

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それでは第462回、『日本テレビ放送番組審議会』の模様をご覧下さい
A委員:
このドラマは、凄く好みの問題があると思います。配役の意外性が面白く、北川景子さんは今までクールな役が多かったと思いますが、今回は感情を露わにして、ちょっと腹黒いような感じの先生役で、新鮮でした。悪夢ちゃん役の木村真那月ちゃんも凄く上手ですね。
気になった点は、夢と、回想シーンと、現実の、3つのシーンが入り混じっていたので、少し考えなければ、付いていけませんでした。
B委員:
印象的だったのは、女性たちの使い方と造形の仕方。北川景子さんと優香さん、古藤結衣子役の子役さん、とても皆さんお上手だと思いました。 北川さんが、実はこういう嫌な部分を持っているとか、面白いところもあるという、出し方が丁度良くて、北川さんがとてもリアルな人物像に見えました。 これからポイントとなってくるのが、悪夢が何を象徴しているかという読み解きの部分ですが、余りこじつけっぽくなり過ぎないと良いなと思いました。
C委員:
役者全員が凄くしっかりしていて、表情が的確で、北川さんも楽しそうでした。特に子役の木村さんにはゾクッとしました。顔とか目だけじゃなくて、ロングにした時の演技が凄くて、映画向けというか、凄い力のある人だと思いました。この二人の相棒関係がどのようになるか、とても楽しみです。
また、世界観や音楽もよかったし、北川さんの部屋のインテリアは凄く汚い部屋ですが、とても親しめました。
D委員:
期待せずに見たら、意外と面白かった。ただ、ずっと面白くてハマって見ていくかというと、ちょっと幼稚だと思いました。恩田陸さんの小説は、あまり子供向けではありませんから、願わくば、もう少し大人っぽい部分があっても良いのではないかと思いました。でも、これは無いものねだりかもしれません。
E委員:
筒井康隆などの時代のSFは荒唐無稽な前提だけど、それを受け入れれば、意外とリアルに物事・物語が進むものだったのですが、荒唐無稽でちっともリアルじゃない物語が出てくると、何か空々しくなってしまう。予知夢はどうしたって有り得ないということが頭にあるので、私はなかなか受け入れられない。
F委員:
悪夢なので、どうしてもグロテスクな画面が多いですね。スリラーとしてならば良いかもしれないが、フィクションとしては、もう少し工夫が出来ないかと思いました。
原作の本を読んでみたが、テレビと違う部分がかなりあるのでなかなか解釈するのが難しい。是非、小説の狙っているところとテレビドラマのつなぎを上手くやってもらいたいと思います。
G委員:
一度見ただけでは分からなくて、二度見ました。ホームページの掲示板を見ましたら、若い人は「面白い」のひと言ですね。若い人はこういうものでも理解できるのか、私が理解できないのは、歳のせいかなと思いました。
場面展開が凄く速いのは、丁度マンガの世界。そういうモノに慣れた世代の人には受け入れやすいのかな、アナログ人間とデジタル人間の違いなのかと思ったりしました。
H委員:
スタートが問題ではないかと思います。スタートで笑い、ユーモアや幸福感、ハッピーエンドに終わりそうな前触れ。これらを少しでも散りばめられなかったものかと思います。2話とも子供が親を殺すシーンがあるのが、問題だと思います。
I委員:
見た事が無いものを作ろうという意思と、視聴者を徹底的に楽しませようという二つの意思が見事に融合していると思います。コメディセンスも素晴らしい。一見、子供向けファンタジーに見えて、実は現代における人と人との関係性を、様々な角度から問いかけてみせるドラマなのだと思います。
J委員:
恩田さんの原作は、夢と現実の融解をテーマにしていて、これを映像化するのは、いささか困難だと思いますが、それをテレビでやってみるというチャレンジングな事も必要だという気がします。
エンターテインメントとしては、悪くないと思いますが、恩田さんの原作の、底知れない暗さの一部でも、作品中に出るようにしてもらいたい気持ちが有ります。

日本テレビ側からのコメントです。

番組担当者
委員の方々のご意見を踏まえ、皆さんに愛され家族全員で見てもらえるような作品を目指したい。
また、予知夢と現実が異なる、という矛盾点の指摘については、「予知夢とはあくまで可能性の一部であり、危機の警告でもある」という考えから、「未来は変えられる」という解釈で制作に取り組んでいます。