第507回日本テレビ放送番組審議会は、水曜ドラマ『母になる』に関しての合評を行いました。(1名欠席)
合評に先立って、2016年10月~3月までの、番組種別時間の報告がありました。

『母になる』は、誘拐事件に直面した家族を通して、3人の女性が葛藤しながら母になるまでを描く物語で、今回は1話と2話をご覧いただき審議しました。

  • 1話目を見たら予定調和の感動ストーリーだと思ったが、2話目を見たら衝撃を受けた。今後もちょっと目を離せないと思った
  • 子供を産んだ女性が、産んだゆえの母の愛に引きずられていく常軌を逸した感じと、産んでいないがゆえの常軌を逸した感じが、やや強調されすぎていて、リアルさが感じられないところが多々あった気がする
  • 2話目に出てきた手紙はかなりの衝撃で、ママと母の違いのコントラストが出ていて、3話目を見たいという気になった。
  • 女性たちの一人当たりのモノローグの時間が短いので、もう一言、言って欲しいという気がする。また、主役が色々と説明しながらセリフを言うのは、あまり無いほうがいい。説明は他の人にさせて、主役は心情と演技であって欲しいと思った。
  • リアリティを強く求められるドラマはトーンの置き方が難しく、事件の話ばかりになると汲々としてしまうが、仮にこのドラマと同じ設定のことが人生に起きても毎日の暮らしはあるので、そのバランスが良いと思った。
  • 児童福祉の人が自分で全てを解決しようとしているが、ちょっと嘘っぽいし、ああいう立場の人が全て解決しようとするのは、ありえないと思った。
  • 『母になる』というテーマはとても大切だと思う。そして、これは今、作り手の中である種のトレンドになりつつある。5月に公開される映画もエンターテインメントとしてよく出来ているが、それだけでは終わっていない。そういうものを見てしまうと、メロドラマすぎると思った。
  • 1話目は平板だったが、2話目からぐんと面白くなった。サスペンスの趣が出てきて、主人公の息子役がダークサイドの部分を見せてくれると自分の好みになるなと思った。
  • 大学生がなぜ逆恨みして子供を誘拐したのか、自殺してしまったのか、若い人たちは悩んでいることが一杯あるんだろうと思ったので、この辺りをもう少し突っ込んで書いて貰ったら良いなと思った。

この御意見を受けて、日本テレビ側は次のように答えました。

「今回も様々なご指摘を頂きました。皆様のご意見を参考に、今後も制作して行きたいと思っています」