第511回日本テレビ放送番組審議会は、「所さんの目がテン!」に関しての合評を行いました。

この番組は、この秋放送29年目を迎え、日常の疑問から気になる情報まで毎回一つのテーマに関して「科学の力」で検証・解明していく、科学バラエティ番組です。(リポート1名)

  • 多くの人が起きている時間ではないので、ある種の深夜番組と共通した“一種のリラックスした感じ”が漂っている印象を受けた。また、科学番組だと気付かせないくらいに、科学のことを柔らかく伝えていたからこそ、日曜朝のオアシスのような番組が30年近く続いたのだろうと思った。
  • 30周年に向けた北極プロジェクトは、壮大な企画だと思う。現代化したイヌイットの生活も驚いたし、何よりスーパーで何気なく銃を売っていることに驚いた。あちこちに現代化の波が及んでいることが発見だった。
  • 日本人の子供が可愛いものと思っているトナカイやアザラシを、撃って食べていることに意味があると思う。ただ、こういうことは残酷ではなく、文化なのだという説明も、一言欲しかったと思う。
  • アクシデントがあって何かを断念するというケースは、見ている人に色々なストレスを与える気がする。今回のケースだと、仮に行ったとして素人があの場所に立てるのかという気がして、ちょっとだけモヤっとした。
  • 全体的にとてもカジュアルで気楽さがあるので、『笑点』に似ていると思った。重いテーマを軽くパンパンやっていくので、かえって後になってから「あれは大丈夫かな?」と絵本を見るような感じで思い出すことが多い気がする。
  • 1時間だと飽きるかもしれず、30分だから長く続いたのかと思うが、もう少し見たいという時もある。テーマによっては、1時間の番組も放送して貰いたいと思った。
  • 失敗したところを隠さずに、そのまま見せるというのが、科学番組としての基本スタイルだと思う。3人のやりとりは安心感があり、実験や取材を中心にやっているところがよく出ているので良いと思う。
  • 所さんのタレント性や能力からみると、専門家の先生方とのやり取りがもっとあれば、盛り上がるのにと思った。今後はうまく続けていって欲しいと思った。
  • 30周年特別企画と銘打たれているので、1年間張り付いて凄いことをやるのだと思っていたら、カメラを置いてきただけだったので肩透かしを食った感じがした。いい番組ではあるが、時間不足で30分では食い足りない部分が非常に多かった気がする。
  • 番組を通して「品があり、ゆったりしている」と感じた。また、「知らないことを知る」というのは実に面白いと思った。押しつけがましくなくユーモアもあるので、こういう番組を見ていると、テレビもまだまだやることがあると思った。

この御意見を受けて、日本テレビ側は次のように答えました。

「子供のころからこの番組を見ていたという科学の先生も多く、今後もそういう先生方と協力して、これからの子供たちが、より科学に興味を持って貰えるような番組を志していきたい」