第512回日本テレビ放送番組審議会は、「第94回 箱根駅伝予選会」に関しての合評を行いました。

この予選会は、お正月の箱根駅伝への出場を決めるもので、20キロを走り、各校上位10人の合計タイムで競うものです。10位まで入った大学が本大会への切符をつかむことが出来るため、記録の集計や結果発表に至るまでを生中継でお伝えしています。(リポート1名)

  • タイムを換算していく過程や、余裕や差があっても最後まで分からないという予選会が面白いということに非常に驚いた。ただし、外国人選手の枠は何人なのかなど、いくつか気になったことがあった。
  • 優勝した外国人選手にインタビューが無かったのが気になった。敬意を表するという意味でも、スポーツが国際化しているという時代においても、扱いがドメスティックすぎると思った。
  • 予選会は意外な面白さがあって、非常に引き込まれた。個人のドキュメントで紹介されたことが、結果のところで紹介されていないので、何となく食い足りない気がした。
  • 12人走るうちの10人の合計が結果になる。よく出来ているが、残酷なシステムでもあるとドラマ性を感じた。11番目に走っている選手のモチベーションはなんだろうと思ったり、色々なことを想像させるので、見ていて楽しかった。
  • 「チームのために走ったら苦しくなったが、自分のためと思ったら楽になってスピードが出た」という選手のコメントなど、日本人のカルチャーとか、心情を表していたと思って、考え込んでしまった。
  • 箱根駅伝でスターになった人が、必ずしもオリンピックのマラソン選手になれない。箱根だけで終わるのではなく、その後の人生や、日本の陸上を背負って立つ人たちに向けて、長い目で見た視点みたいなものを入れてもらわないと、燃え尽きる感じが強すぎる気がする。
  • ゴールしたら記録と結果は直ぐに出ているはずなのに、結果発表まで引っ張られてしまっていて、テレビの演出に選手が巻き込まれている気がした。ちょっとかわいそうだと思ってしまった。
  • 最後の順位発表のドキドキが面白かった。10位以下はほんの少しの差。選手は大変だと思うが、見る方としては面白かった。
  • 一流の選手たちが一斉に走り出す光景は、壮観で素晴らしいと思った。49校も出ているので、いくつかの大学だけに焦点を合わせずに、ほんのわずかでもいいからまんべんなく映してくれると、大学関係者も喜ぶと思う。
  • 選手たちの背景がバラエティー豊かなので、弱いけれども箱根を諦めていない大学が、どのような取り組みをしているかも少し取り上げて貰いたかったし、シード権を得ている大学と、予選から出なければならない大学とでは、年間のスケジュールがどう違うのかも知りたかった。

この御意見を受けて、日本テレビ側は次のように答えました。

「留学生に関しては、現状各チーム1人だけ出場できるというルールがあり、なぜ直ぐに結果を発表しないのかという点に関しては、審判が全員の記録をチェックするのに、時間がかかってしまうため。今後は、こういう説明も含めて、よりベターな放送を目指していきたい。」