第519回日本テレビ放送番組審議会は、開局65年記念番組 日本テレビ+ルーヴル美術館『その顔が見たい!』を取り上げました。
美術に興味のある方だけでなく、たくさんの方々に興味を持ってもらいたいという意図を込めて制作し、元NHKアナウンサーの有働由美子さんの民放初出演として、フランス・パリのロケにも出て貰っている番組です。
(欠席者1名、リポート2名)

  • 単に絵を解説するのではなく、「顔」をテーマにしたことで親しみやすい構成になり、そのテーマで貫かれているので、まとまりのいい面白い番組になった。「環境を変えたら顔は変わるか?」という実験も面白かったが、「活発な人やおしゃれな人が、より素敵だ」という決めつけには、少し違和感があった。
  • ルーヴル美術館展のテーマに関連している番組だと思って楽しみにしていたが、それに関しては最初だけだったので、この番組のどこが65周年のスペシャルだったのかと思った。まったくスペシャル感が感じられなかった。
  • 土曜日のゴールデンタイムで、ルーヴルが好きな人だけではない人にも見て貰うために両方やろうとしたから、ちょっとぐちゃぐちゃ感が出てしまった気がする。
  • ルーヴル美術館に関する番組を見たという印象がなく、肖像画が実物と違うというのは、“今さら感”があった。作り手の伝えたいことや感動する瞬間が、もう少し欲しかった気がした。
  • 今回は楽しみにしていたのに、「ルーヴル美術館を貸切りにして、ロケはこれぐらい?」という感じを抱いた。もう少し美術館を核に持ってきてもよかったのではないかと思った。
  • 色々な人に見て貰いたいというのはよく分かるが、少し意識しすぎたのかバラエティー的なものが出過ぎている感じがしたのと、前半と後半で全くジャンルが違う形になってしまい、ルーヴルの深みが消えてしまったのが残念だった。
  • せっかくルーヴル美術館展をやっているので、絵を一つ一つ丹念に解説してくれる番組だったらありがたかったと思う。ロケで美術館を借り切ったのだから、丹念に見て歩くという姿勢があっても良かったのではないか、もったいないと思った。
  • ロケの有働さんの“とまどい感”が新鮮だったが、偶然撮れた当て逃げ犯の顔が入ったために、企画コーナーの意味が理解しづらくなってしまった。ルーヴル美術館に直行しない番組構成にもとまどってしまった。
  • さまざまな顔に関する部分がバラエティーに富んで作られていた。不思議なバランスがあって楽しめたが、いつもはキレのいい上田さんが、料理しにくそうにしていたのと、最後に有働さんに出てもらえば良かったのではないかと思った。

この御意見を受けて、日本テレビ側は次のように答えました。

「今回の『ルーヴル美術館展』のテーマが、肖像画、顔ということもあり、そこから間口を広げて番組を制作していったが、タイトルに『ルーヴル美術館』と入っていたために、それをメインで扱うという誤解を与えてしまった。
皆様のご意見を、今後の番組作りに活かしていきたいと思う」