第536回日本テレビ放送番組審議会は、3月8日に放送された『世界の果てまでイッテQ!』について合評を行いました。
去年1月にBPOで審議入りした「祭り企画」が復活した放送回を取り上げました。
(リポート1名)

  • 久しぶりの復活で“フルーツケーキ祭り”が選ばれ、祭りの緩さとその中で一生懸命やるというのが企画の一番の持ち味だったと改めて思いだされた。無理して連続してやろうとせず、出来る範囲内で続けて貰いたい。
  • 長く続いている人気番組の場合は、ずっと見ている人と、あまり見ない、たまに見るという人では感想が違う。「たまに来る人は来なくていい」ような感じになってしまうことがあるので、注意して貰いたい。
  • 久しぶりに見たのでワクワクするかと思ったら、正直言ってマンネリだと感じた。今回、祭り企画を変えるチャンスでもあったが、いつもの感じでやった。変えないことで視聴率は取れるかもしれないが、これはどうなのかと思った。
  • 1年4か月ぶりということで、どう始まるかと思っていたら、最初にディレクターが「より正確な情報を視聴者の皆さんへお届けします」と言い「より」という言葉が凄く気になった。何か言い訳がましい雰囲気を感じた。
  • 出演者が視聴者と信頼関係を結ぼうとしている、意識している、というのが、あちこちから読み取れた。タレントと番組だけで終わってしまうのではなく、発信があり、宮川さんの心情がつかめたところが、この企画の凄いところだと思った。共感もしやすかった。
  • 問題になった番組やコーナーは、打ち切りになったり、取りやめになったりするが、番組でエラーをしたら、その番組を良くすることで取り戻して欲しい。そういう意味で、この企画もあくまでも良くするために再開するのは凄く良いと思った。
  • 昨今のコロナ関係でロケが厳しくなってきているが、何が何でも海外に出なくてもいいのではないか? 国内でもイベントや伝統的な祭りなど色々あるので、こういうピンチの時には、そういうことを考えるチャンスでもあるという気がする。
  • 宮川さんのまっすぐなキャラクターと、何度も感涙されて感情が表に出てきたので、祭りが再開するまでの期間が長かったことと、その長さが適当だったと、見る人も受け取るのではないかと感じた。
  • 町おこしの祭りというと、日本だったら人が集まってきて、集まったところに金儲けのようなことが顔を出すが、この祭りには全く感じられなかったので、非常にすがすがしい感じがした。
  • どんどん新しい祭りを展開していかねばならないというのは、とても大変なので、2回目にトライすることがあっても良いのではないかと思った。そうすれば、地元との触れ合いが出来るのではないかと思う。
  • 祭りは地域の文化を反映しているので、その場に行かなくても世界が見られるというのは、ありがたい。ただ、食べものは粗末に扱って欲しくないので、食べ物を大切にしている一環としての祭りだということも、しっかり伝わるようにして欲しいと思った。
  • ちゃんとネタにしているところが、転んでもただでは起きないテレビマンのあるべき姿だった。今、ドラマもロケも出来なくてしんどい時期だが、そんな時こそ、アイデアと逆境をも力にすることが出来る、テレビマンの力の見せどころだと思う。人は情報を知りたい気持ちと、情報を忘れたい気持ちでテレビを見ているので、この番組が与える力は大きいと思う。

この御意見を受けて、日本テレビ側は次のように答えました。

「コロナウィルスの蔓延によって、通常のロケが出来なくなっている昨今、今までやってきていないことをやるチャンスとして、知恵を絞ってやっていきたい。いただいたご意見は、宮川大輔さんにもきちんとお伝えする。」