コンテンツ制作局

自分がもらった
驚きや感動を
次の世代に

バラエティー総合演出

古立 善之Yoshiyuki Furutachi

1997年入社
法学部 卒

バラエティー番組の企画・演出を務める。主な担当番組に『世界の果てまでイッテQ!』『嵐にしやがれ』『月曜から夜ふかし』『満天☆青空レストラン』『うわっ!ダマされた大賞』など。

ALL PEOPLE

見たい! という単純な思い

入社以来、ずっとバラエティー番組の制作現場で働いています。今はバラエティー番組の企画・演出を担当しています。一言で言えば、番組内で行う企画を考え、どういうふうに見せるかを構成する仕事です。『世界の果てまでイッテQ!』の場合、国ありきで企画を考えるわけではありません。世界中のさまざまなネタをリサーチして、いまの時代に合うネタがあれば、そのテーマをより深く取材します。テーマを決めるときは直感ですね。たとえば登山をテーマに扱ったときも、「頂上からの景色が見たい!」という単純な思いがあっただけなんです。

印象深い『イッテQ』の仕事

そもそも登山を扱うことになったきっかけは、「真冬でも富士山に登れるの?」という素朴な疑問でした。それまでバラエティーでは登山を扱うことはあまりなかったのですが、だからこそおもしろい番組になると思ったのです。どうやってロケすればいい?どうやって編集すればいい?バラエティー番組で登山を扱うノウハウは誰も持っていなかったので、スタッフ一同そんな状態でした。けれど、そういう手つかずのネタを扱うことで、結果的に誰も見たことのない映像が撮れるはずだという確信がありました。視聴者の反響も大きくて、とても楽しい仕事でした。

スタッフは視聴者の代表

私たちが企画会議で「おもしろそうなネタ」を選ぶとき、決してクリエイター的視点のみで決定しているわけではありません。スタッフも家に帰れば一人の視聴者です。だから、視聴者代表として番組を発信している、という側面の方が大きいのです。そのようにして私たちが発信した番組は、発信した瞬間から受け手のものとなります。番組が受け手の喜怒哀楽を刺激して、それぞれの人生になにかしらの影響を与えることができたらうれしいですね。テレビ番組はそういう作用を持つべきだし、私自身それを目指して日々の仕事に取り組んでいます。

世界は撮り尽くされたか?

テレビの歴史が始まって以来、カメラは世界のあらゆる場所に入っていきました。子どもの頃の私は、外国の風景や文化を紹介するそんな番組が大好きでした。今、世界は撮り尽くされたのでしょうか。もう、どこにもロケに行く必要はないのでしょうか。いやいや、そんなことはありません。たとえば私が子どもの頃に見たマサイ族を、私の息子は知らないのです。私は子どもの頃に見た番組の感動を、いまのやり方で再構築して次の世代へ受け継いでいきたい。そして次の世代からまた、新しい可能性が生まれてきたら素晴らしいことですね。

MESSAGE

普通の感覚を養うことが大切

テレビは視聴率1%につき100万人が見ているといわれる、ものすごいメディアです。そのマスに対して私たちが発信しているのは、アートではなくサービス商品です。だからテレビ番組を作る人間は、普通の感覚を養うことがとても大切です。マスは何を求めているか、何をおもしろがってくれるか、そういうことを直感的にわかる能力が必要なんです。それは決して特殊な能力ではありません。数百万人を相手に考えるのは意外と難しいですが、家族や友人の顔を思い浮かべ、彼らがどう思うかを考えてみるとよいでしょう。

わたしの
「見たい、が世界を変えていく。」

お客さんのリアルな反応がみたいですね。例えば、『イッテQ』の放送翌日に子供たちが学校で「イモトのあれ見た?」と話している姿とか、電車で「『月曜から夜ふかし』超面白かったよね」と話している姿とか。私も子供のころから「あのテレビ見た?」ってよく話していたんです。放送後に世の中で自分の番組が話題になっているのってホントに嬉しくて、それがやりがいなんです。企画を考えるときも、自分が見たいと思ったことが、視聴者の見たいことなのかどうかを常に考えています。だから、いろんな場所で、いろんな世代がテレビ番組について笑顔で話をしている姿をずっと見ていたいですね!