SPECIAL TALK 制作局座談会 制作局の4人のディレクター・プロデューサーが語る

TALK LIST

ひたすら真剣に「おもしろい」番組を追求する。それが日テレ制作局。
現場の第一線で活躍するディレクター、プロデューサーに集まってもらい、
「日テレ制作局らしさ」や「仕事のやりがい」について語り合ってもらいました。
制作局のプロフェッショナルたちが考える就職活動とは?

MEMBER

  • プロデューサー

    Mari Kuniya

    2005年入社/総合政策学部卒

    主な担当番組:『1億3000万人のSHOWチャンネル』、『ニノさん』、『はじめまして!一番遠い親戚さん』、『クイズハッカー』など

  • ディレクター・演出

    Hiroki Miyamori

    2004年入社/経済学部 経営学科卒

    主な担当番組:『一撃解明バラエティ ひと目でわかる!!』 、『踊るさんま御殿』、『The W』、『世界の果てまでイッテQ!』など

  • プロデューサー

    Hanae Iwashita

    2005年入社/経済学部卒

    主な担当番組:『人生が変わる1分間の深イイ話』 、『行列のできる相談所』、『誰も知らない明石家さんま3時間SP』、『24時間テレビ』など

  • ディレクター・演出

    Shinichiro Yoshikawa

    2009年入社/法学部 政治学科卒

    主な担当番組:『I LOVE みんなのどうぶつ園』 、『ニノさん』、『The Music Day』、『ダイエット・ヴィレッジ』など

01

チームワーク抜群!テレビが大好き!それが日テレ制作局のDNA

宮森

今日はみんなで日テレ制作局の仕事について語ったり、就活について振り返ろうという事なんですけど、まず学生時代ってどんな生活してた?

吉川

僕は学生時代はずっとバンドをやっていました。テレビにも出してもらったりしていたので、プロになって音楽でメシを食べていけたらいいなと思っていたんです。でもいろいろあってバンドは解散してしまいました。

岩下

私は学生プロレスの手伝いをしていたのと、取材して記事を書くバイトをしたり、他の大学の人たちとイベントをやったりしていました。やりたいことは何でもやってみようと、いろいろなことに手を出していた学生時代でした。

宮森

学生プロレスって面白い経験だね!

國谷

私は高校時代から外国に興味を持ちだして、学生時代は暇さえあれば外国に行ってました。大学時代は、特にヨーロッパにハマり、1年間フランスに留学したり。短期の休みも海外に行ってばかりいましたね。

吉川

國谷さんがフランス留学してたって初めて知りました。

宮森

僕は日々テニスと、夜は飲んだくれるみたいな。学校にもほとんど行かず...ホントにダメ学生の典型でした。世界を放浪とか、格闘技とか、プロフィールに書けそうなキャッチーな事は何ひとつやってない(笑)。 じゃあ、そんな学生時代からなんで日テレに入社しようと思ったのかな?

吉川

さっきのバンドの話とつながってくるんですけど、バンドが解散してしまったのでどうしようかなと考えた時に、音楽番組に出る側ではなくて、作る側をやってみようと思ってテレビ局を受けたんです。

岩下

私はもともと熊本の田舎で育ったからテレビくらいしか娯楽がなかったのでテレビばかり見て育ったんです。とにかくテレビが好き!それだけです。

國谷

私は小学生の時からテレビ局で働きたいと漠然と思っていたので、テレビしか考えていなかったですね。学生時代に海外に興味をもったので、報道記者になって海外で働ける特派員になりたかったんです。だから就活中は報道志望でした。

宮森

僕は高校の時、録音したチャイムを鳴らして先生をだまして授業を早く終わらせたりする、しょーもないいたずらっ子だったんだけど、なんかそういうことを仕事にできたらいいなと思って(笑)。それができるのはテレビかCMかなと。

吉川

それ仕事に活きてますか?(笑)

宮森

チャイムは別として、自分がおもしろいと思ったことを、カタチにできる。そこはテレビ局の魅力かなと。ではでは、日テレの制作局らしさってどんなところだとみんなは思う?

國谷

私はチームワークだと思いますね。

宮森
岩下
吉川

わかるわかる。

國谷

普段の仕事はバラバラで働いていても、『24時間テレビ』のように、制作局員全員が団結して作り上げる番組があるからかな。とにかくチームワークのよさを感じます。日テレのDNAとしてみんなで何かを作るのが得意なのかもしれないですよね。

岩下

横のつながりがしっかりある局ですよね。よくがんばっている人をみんながちゃんと見ているし。ファミリーっぽいっていうのかな。

宮森

縦のつながりもいいと思う。自分がVTRや特番を作った時に先輩があそこおもしろかったよ、とか、あれはこうしたら良かったのにとか、アドバイスをくれる。逆に後輩にどうだったって聞いて、おもしろくなかったですとか平気で意見を言ったりするからね。

岩下

笑いが絶えない部署でもありますよね。

宮森

そうそう。大の大人が会社でそんなに笑うのかっていうくらい、会議中でも笑いが絶えない。みんな、雰囲気作りが本当にうまい。

岩下

わかる!本当に制作局の人ってみんなテレビが大好きですよね。いつもテレビの話で盛り上がってる。まるで小学生みたいに「昨日のあの番組、見た?」って話していて。ただ、小学生と違うのは、そこに視聴率っていう現実的な数字が入り込むこと(笑)。あとは職場でテレビがいつでも見られるっていうのが一番うれしい!

吉川

それが一番ってことはないでしょ(笑)!

02

自分のやりたいことがテレビ番組になる

吉川

これまでいろんな仕事をしてきたと思いますが、みなさんの印象に残っている仕事ってなんですか?

宮森

僕は、『イッテQ』のディレクターをやっている時に、イモトさんとチーターが並んで徒競走するのを企画して放送したことかな。当然誰もやった事がなかったから、どこにもノウハウがなくて。でも現地のアフリカ・ナミビアのガイドに電話してみたら「やれますよ」って言ってくれて。鼻息荒く現地に行ったら「どうやろうか?僕らも悩んでるんだ。」って海外特有のちゃぶ台返し(笑)。それから死に物狂いで現地の人と夜通しどうしたら撮影できるか考えて、結果として実現できたっていうのは、本当に思い出に残っている仕事です。

國谷

私はフランスのルーヴル美術館の特番を企画して放送させていただいたことですね。ルーヴル美術館を貸し切って、ビートたけしさんにルーヴルの魅力を伝えていただく番組だったのですが、たけしさんの絵の解釈を聞けたことは夢のような時間でした。『世界まる見え!』を8年たけしさんと一緒にやらせていただいて、自分の中でつなげてきた縁が実った、最高の瞬間でした。

岩下

私は『大人気店でドッキリ!ありえない商品 売れる!?売れない!?』という特番をプロデューサーとして成立させられたことですね。企画のきっかけは総合演出からの「立ち食いそば店で、超一流料理人が作る6000円の特別メニューがあったら売れると思う?」という電話だったんです。簡単そうに聞こえますが、スポンサーとの調整、コンプライアンスのための撮影ルール作りなど、社内外の調整業務が本当に大変で。その難題をクリアして視聴率14%を出せたときは、プロデューサーとしてちょっと成長できたかなって。印象に残っている仕事ですね。

吉川

僕は自分で企画した『ダイエット・ヴィレッジ』という、1カ月で8人のダイエット希望者が全員合計で100キロやせられるかという特番をやったことですね。2年目に書いた企画書だったのですが、企画をロンドンの会社がおもしろがってくれて、一緒に制作することになったんです。テレビって国内で完結する仕事という印象があったんですけど、海外の会社と一緒に番組制作できるというグローバル感がとても印象的でした。

國谷

みんな自分のやりたいことを番組にしてますよね。自分の考えたことを番組という形にしていくのってこの仕事の醍醐味そのものかと。ところで、そもそも学生の皆さんって制作の仕事についてわからないことも多いと思うので、ディレクターとプロデューサーの違いについても紹介しませんか。

宮森

番組を飲食店に例えるとわかりやすいかも。お店の料理人がディレクターで、オーナーがプロデューサー。料理人はどういう食材を手に入れて、どう調理するのか、味付けをするのか、盛り付けにするのかを考える。一方、オーナーはどういうコンセプトのお店にするのか、どういうお客さんに来てもらいたいのか、予算とかを決める。

吉川

その例えわかりやすいですね。オーナーと料理人はお互いに協力しないとうまくいかない。料理人はどうやってより良い食材を集めて調理するのか。オーナーは料理人が最高の調理をするためにどのように予算を配分するのか。限られた条件の中で最高の料理=番組をつくるためにお互い最高の仕事をしていく。役割は違っても、お客様に喜んでもらいたいという気持ちは同じで、まさに番組づくりと一緒ですね。

國谷

だから大切なのは、いろんなお店がある中で、いかに自分らしい味のお店を作るかってことですよね。自分たちの強みを知っておくことがとても大切。

宮森

結局、制作の仕事の魅力ってなんだろう?

國谷

ゼロから自分たちのアイディアで番組をつくれることじゃないですかね。なんにもないところから企画を考えて、それを番組という形にしていく。その作業って苦労が多いけれど、放送を見た方に「おもしろかった」って言っていただけると「やってよかった」って思いますよね。これに尽きるんじゃないかと。

吉川

僕もそうだと思います。それと制作局っていろんな番組があるから自分がいろいろなことにチャレンジして成長できるのも魅力だと思いますね。コント系、ロケ系、音楽系、ドラマ...。やってみて初めてわかることが多く、意外な自分を知れる職場なんだなと制作局に入って思いました。

03

学生時代の経験が自分のカラー・強みになる

宮森

制作局を目指すうえで学生時代にやっておいた方がいいことってあるかな?もしくは制作局ってどんな人が向いていると思う?

國谷

制作局は楽しいこともたくさんありますけど、そればかりではないですよね。大変なこと、悩むことの方がむしろ多いです。そんな時に大切なのはやっぱり"テレビが好き"、"テレビを作りたい"っていう想いだと思います。仕事で壁にぶつかってもその想いが最後の支えになると思うんです。だから私は"テレビが作りたい"という想いが強く、芯のある方を仲間として迎えたいですね。

吉川

僕は何かを一生懸命やっておいたほうがいいと思います。一生懸命やった人って、会社に入ってからも仕事に一生懸命取り組むことができる。それと、本気でものごとに挑戦すると必ず壁にぶつかると思うので、挫折するっていうのを経験しているのも強いと思います。企画を提出すると、「これのどこが面白いか説明して」と言われるんだけど、自分が面白いと思うことを相手に伝えることは本当に難しくて、いつも挫折の連続なので(笑)。

岩下

私自身は夢中になれる何かを探したくて、いろいろなことにチャレンジしたり、知らない世界に足を踏み入れたりしてみました。意外に自分は自分のことを知らないもので、やってみてから初めて「自分はこういうことが好きなんだ」ってわかることが多かったんです。だから、後悔のない学生時代を過ごしてほしいですね。

宮森

それは、本当に同感。俺ももっと勉強して、広い世界を知っておけばよかったと思っている。自分の学生時代は、居心地のいい世界だけで完結した「井の中の蛙」だったけれど、当時の自分に、社会に出たらそれでは通用しないと伝えたい。いろいろな分野の、いろいろな人と関わり合うのがテレビの仕事だからね。

04

私の「見たい、が世界を変えていく。」

宮森

リアルな結末が「見たい」ですね。僕はチャレンジする企画が好きなんですけど、僕らが作った台本通りにいかないときって一番リアルでおもしろいって思うんです。何かにチャレンジをして、成功したら最高ですが、もし失敗したとしてもその失敗をボツにするのではなくて、そのままリアルに放送する。こちらが想定したとおりにならかったとしても、そこまでの過程が真剣であれば「見ごたえのある失敗」になる、そんなリアルを伝えていきたいですね。

岩下

20年後の、視聴率20%の番組が「見たい」です。毎年視聴率20%とる番組ってロケ番組だったり、トーク番組だったりと内容が違うんです。20年後のテレビは視聴率10%でもすごいってなるのかもしれないし、逆に30%とらないとすごいって言われないかもしれない。はたして、20年後にテレビの前に人はいるのかということも含めて、未来のテレビ番組を「見たい」ですね!

國谷

テレビの前にみんなが集まって笑っている姿をずっと「見ていたい」です。テレビはより多くの人に見ていただいて、それが会話のきっかけとなり、みんなに笑顔になってもらうことが私たちの使命だと思っています。これからもテレビの前の笑顔をずっと作っていきたいです。

吉川

この世の中で何がおもしろいかって考えると、人間がいちばんおもしろいと思っています。特に人間の心が動く瞬間というか、変わる「瞬間」が見たいです。人が本気で何かに取り組んで変わる、面白いことが起きて変わる、赤ちゃんが生まれて変わるとか。バラエティに限らず、報道でも、ドラマでも、どんな番組でもいいので、そんな人間の姿を見せる番組を作っていきたいです。