2019年5月24日(金)
筑波大学附属小学校(東京・文京区)

「問題の条件が違うのはおかしいと思います!」と、ある児童が声をあげました。

私たちが、講義の後半で行うグループワークについて講評をしていた際の出来事です。一つのテーマに対して、その裏側にあるストーリーを探るワークの「正解」は一つです。しかし、他のクラスの発表を聞き、その結論が自分のクラスの結論と大きく違うと感じた児童が、違いが出たのは、他のクラスに付いた講師と自分のクラスに付いた講師の提示した内容が異なっていたからだという主張でした。

今回、私たちの出前授業「情報の海の泳ぎ方」に関心を持ってくださったのは、単純で短い問いを投げかけ、答えをぐいぐい引き出す手法で著名な道徳の先生です。日々、こうした授業で鍛えられているがゆえでしょうか。納得できなかったポイントを、その場で挙手をして問う姿勢は小学5年生とは思えない迫力でした。グループワークの魅力は、短い時間ながらも、児童たちと一緒に答えを探る過程にあります。例えるならば、頂上からしか見えない景色を見ようと、自分が先導しながら30人の児童と山登りをしている感覚です。そこで「おかしい!」と声をあげてくれたのは、その山登りに真剣に取り組んでくれた何よりの証拠で、担当していた私はとても嬉しく思いましたし、手ごたえを感じました。(内容が異なった理由はその場でお話ししましたが、うまく説明できたかは若干自信がありません。皆さん、機会がありましたら、ぜひ、この授業を体験してみていただき、考えてみてください!)

この日は、藤田大介アナウンサーが「正確に伝える」をテーマに、アナウンサーの仕事や役割について講義しました。加えて、相手への伝え方のちょっとした「コツ」も合わせて伝授しています。

さらに特別に、気象情報を担当する報道局のプロデューサーが参加し、ミニ防災講座を開講。スペシャルゲストとして日本テレビのお天気キャラクター「そらジロー」が現れると、場が騒然。あまりの人気ぶりに私たちスタッフが目を丸くしてしまうほどでした。

児童の感想をご紹介します。

  • ● フェイクニュースなどがあるネットの世界は怖いなという気持ちと、事実を調べるのは楽しいなとも思いました。
  • ● 僕は、テレビ、インターネット、新聞の全ての情報が必要だと思います。どの情報も利点と欠点があることを意識して、情報という海を泳ぎたいです。
  • ● 僕も、歌や丸読みでは、いつも(声が)大きいだけで、相手に伝わっているか気にしていませんでした。でも今回の授業を受けて、相手に伝わっているかを気にするようになりました。
  • ● 実際のニュース制作の現場をビデオで見て、アナウンサーだけでなく、ホワイトボードに言うことを書いたり、最後の最後までアドバイスをしたり、漏れているところがないかチェックをしたり、原稿を作ったりと、たくさんの人がたった数分という時間のために全力を尽くしているのを見て、より一層アナウンサーになりたいという気持ちが強くなりました。

(担当/林)

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