『DNA鑑定』の基礎知識
遺伝子の本体とも言われるDNAは、アデニン、グアニン、シトシン、チミン という四種の塩基が二重らせん状に並んだ構造になっているが、 その塩基の配列順は、個人の全ての細胞で同一であり、生涯を通じて変らない。
DNAの中には、何個かの塩基が繰り返して出現する部分があり、この繰り返しの 回数は個人によって異なるので、そんな配列の違いに個人差を見分けて 個人識別の手段とするのがDNA鑑定である。
 
 
 
鑑定の方法
 
MCT118型
警視庁科学捜査研究所が編み出したこの方式は、23対ある染色体のうち 1番目の染色体のDNAのMCT118と呼ばれている部分を使うものである。 この部分では、特定の並び方をした16個の塩基が何度も繰り返して出現し、 その回数は人によって14回から42回まで、29のタイプに分けられる 個人差が生じることになる。
染色体は、両親から一本ずつ受け継ぎ、一番染色体は二本で一組だから双方の 繰り返しの回数の組み合わせから435通りの型があることになる。
 
 
 
HLADQa型
HLA(ヒト主要組織適合性抗原)方式は、DNAのうちでも6番目の染色体の 一部を調べるものである。
HLAは、自己と異物を識別する目印として免疫の中心的役割を担うもので、 A,B,C,Dの四種に分かれ、それぞれにも多様のタイプがあるから、 その組み合わせによって、総数では数千を超えることになる。
 
 
 
短鎖DNA型
前期二型の鑑定では、分析する塩基の配列が長かったので、血液などの検体資料 が古くなると溶解・損壊を招く場合も少なくなかったが、TH01型では、 分析に要する塩基配列が短いため、時間経過による陳旧化の弊害を軽度なものと することが可能となった。
 
 
 
DNA指紋
DNA中に現れる塩基の繰り返し配列の初めと終わりを切り離し、同じ長さ (回数)のものはひとまとめにし、電気泳動によって順に並べると出来る バーコード様のバンド模様のこと。
同一人物であれば、すべての細胞のDNAは同一だから「DNA指紋」は 比較しても同一であるし、子供は両親のバンド模様と並列して比較するならば、 その一本一本を必ず父または母いずれかのバンドと一致して、親子関係― さらには血縁関係についても証明することが可能となる。