街の医者 神山治郎(2)
『出産拒



神山 治郎 * 高橋 英樹
片倉 悦子 * 高橋かおり
片倉 早苗 * 美保  純
大槻 佐代 * 宇都宮雅代
田丸 洋平 * 蟹江 一平
田   丸 * で ん で ん
片倉 誠二 * 鈴木 信明
大橋 辰子 * 岡本  麗
安藤 響子 * 小林 綾子
井上 由美 * 姫小松まろ
柳井 英恵 * 奈良岡朋子


企   画 * 酒井 浩至
原   案 * 宮川 一郎
脚   本 * 難波江由紀子
監   督 * 岡屋 龍一
チーフプロデューサー * 増田 一穂
プロデューサー * 篠木為八男
    * 桑原 秀郎
    * 島田  薫
音   楽 * 丸谷 晴彦





 神山(高橋英樹)が商店街の顔見知りの結婚式に参加、そこで妊娠中の花嫁・片倉悦子(高橋かおり)のヴェールにキャンドルの火が燃え移る騒ぎに遭遇した。悦子が痙攣しているのを見た神山は、呼吸のし過ぎから起きる過換気症候群とみて治療。悦子は元気を回復、お腹の子も無事であった。

 ところが、この騒ぎのあと、悦子のヴェールが燃えたのが保険金を狙う悦子の母・早苗(美保純)の仕業だ、との噂が流れた。実は、16年前、場末のホステスをしていた早苗は、悦子の実母・佐代(宇都宮雅代)を追い出す形でクリーニング屋の片倉誠二(鈴木信明)と結婚したが、3ヶ月もたたないうちに、店の火事で誠二が焼死。その際、早苗は多額の生命保険金を手に入れたとの話があったのだ。

 16年前の火事の原因は業務用のアイロンの消し忘れ。火事が発生したのは仕事が始まる前の朝の9時で、早苗はその時、ジョギングをしていたと話していた。 そんな中、就寝中の悦子が、「誰にも言わない。おばちゃん、ごめんなさい!」寝言で絶叫し、再び痙攣を起こした。悦子のこの寝言を聞いた夫の洋平(蟹江一平)は、駆けつけてきた神山に早苗の不信感を訴える。神山は、早苗の疑惑はともかく、悦子が16年前の放火を目撃、ショックで失われたその時の記憶が、結婚式での騒ぎで甦えり始めた、とにらんだ。

 まもなく、3度目の痙攣を起こした悦子が、アイロンのスイッチを入れた女に「誰にも言うな」と言われたことを思い出した。早苗にぶたれた記憶が残る悦子は、洋平の推理を聞いたこともあり、16年も女手一つで育ててくれた早苗と距離を置くようになる、神山は、悦子が、1年程前から連絡をしてきているらしい佐代に会いたいと言うのを聞き、複雑な気持ちになった。

 狭心症で入院中の佐代は、上品で優しそうな女であった。悦子に付き添っていた神山は、16年ぶりの涙の母娘再会を見つめる。やがて、早苗の元を出た悦子は、折りから退院した佐代を新居となったアパートに呼び、3人での生活を始めた。
 ところが、程なく、神山は、狭心症のはずの佐代の喫煙と飲酒を目撃したことから、佐代が病気のフリをして病院を転々として保険金を騙し取っていたと知った。

 16年前の真相を早苗が知っているとにらんだ神山は、店に駆けつけて問い質す。重い口を開いた早苗は、悦子への愛を言葉の端々ににじませながら、思わぬ事実を明かし始めて――。