街の医者 神山治郎(4)
『消えた性』



神山 治郎 * 高橋 英樹
大橋 辰子 * 岡本  麗
安藤 響子 * 小林 綾子
柳井 英恵 * 奈良岡 朋子
田端あさ美 * あめく みちこ
樫谷 芳子 * 長山 藍子
秋村 正三 * 山田 吾一
田端 慎一 * 甲本 雅裕
松 尾 刑 事 * 石山 律雄


企   画 * 酒井 浩至
原   案 * 宮川 一郎
脚   本 * 難波江 由紀子
監   督 * 岡屋 龍一
チーフプロデューサー * 増田 一穂
プロデューサー * 杉山 邦彦
    * 桑原 秀郎
    * 島田  薫
音   楽 * 丸谷 晴彦





診療所に胸の痛みを訴えてきていた老人・秋村正三(山田吾一)が変死体で発見された。現場の自宅で秋村を見つけた神山(高橋英樹)は、首筋の爪痕などから何かを喉につまらせての窒息死とみる。だが、秋村の咽喉部には何もなく、窒息死の特徴である失禁もしていない。そして、不思議なことに、秋村は布団の中で手を組んだ状態で横たわっていた。

司法解剖を行った警察は、胃の中から未消化の肉ジャガを検出。神山はこれが窒息死の原因ではないかと考えるが、警察は結局『就寝中の窒息死』との結論を出した。
75歳の秋村は1年前、妻の芳子(長山藍子)と離婚したため、一緒にいるのは愛犬のゴロだけ。秋村の家には結婚して所帯を持つ一人娘の田端あさ美(あめくみちこ)がいつも面倒を見にきていた。あさ美の夫・田端慎一は、秋村との同居を考えたこともあったが、田端が長男で両親もいるためそれも叶わなかったのだ。

葬儀が終わって程なく、神山は偶然道端で介抱した女性が芳子だと知った。あさ美の話によると、15年間寝たきりだった姑の世話をした芳子は、その死後“自分の人生を生きたくなった”との書置きと離婚届を残して家出をしていた。ところが、家出後、郊外にある電気会社の社員寮で働いていたらしい芳子はボケの症状が出ており、娘のあさ美の顔も覚えていない。芳子が世話をした姑がアルツハイマーだったと知った神山は、不運にも芳子も同じ病気になったと察した。

そんな折、秋村が死亡した当時、何者かが現場で子守り唄を歌っていたことが判明。警察は殺人の可能性もあるとみて捜査に乗り出した。容疑者として浮上したのは四六時中秋村に呼びつけられていたあさ美。死んだ秋村が手を組んでいたことなどの妙な状況は、あさ美を“犯人”と考えると全て説明がつくのだ。

まもなく、秋村の家に戻った芳子がフロ場で滑って転倒。芳子の世話をしていたあさ美が、今度はボケた母親の命を狙ったとの疑惑が出てきた。だが、芳子の症状をずっと観察していた神山は、秋村のそばで子守り唄を歌っていたのが実は芳子ではないか、と推理。ゴロと一緒に姿を消した芳子を慌てて捜し始めた。

やがて、芳子がずっと書き綴っていた日記を見つけた神山らは、自分のボケを悟った苦悩と、娘・あさ美に対する深い母の愛を読み取って――。