地方記者 立花陽介(20)
『佐渡両津通信



立花 陽介 * 水谷  豊
立花 久美 * 森口 瑤子
根岸 隆一 * 片桐 竜次
原田 伸枝 * 左  時枝
坂本 雄二 * 新  克利
宍倉 美恵子 * 萩尾 みどり
大垣 正太郎 * 鶴田  忍
宍倉 かおり * 柳下 季里
小関 はま * 白木 万里
武藤 千春 * 夏八木 勲


企   画 * 酒井 浩至
脚   本 * 難波江 由紀子
監   督 * 吉川 一義
チーフプロデューサー * 増田 一穂
プロデューサー * 杉山 邦彦
    * 赤司 学文
    * 石川 好弘
音   楽 * 福井  崚





立花(水谷豊)が赴任した佐渡両津通信局の北東部にある海岸で、偽名で来島していた大垣正太郎(鶴田忍)という男の他殺死体が見つかった。事件が物盗りによる犯行ではないと知った立花は、東京本社にいる根岸(片桐竜次)に調査を依頼。まもなく、大垣が、詐欺事件の容疑者として指名手配されていた人物だと知った。聞き込みによると、大垣は佐渡の有名な焼き物・無名異焼の作家・坂本雄二(新克利)のことを調べていたらしい。

そんな折、立花は、自分が取材し全国版に掲載された牡蠣祭りの写真を手にそこに写っている男を捜していた中年の女のことを思い出した。久美(森口瑤子)が調べたところ、写真の男は例の坂本。殺人事件と人捜しが思いがけずに繋がったことから、立花はさっそくそのキーパーソンである坂本の工房を訪ねた。

坂本は、民宿『原田』の女将・原田伸枝(左時枝)の世話になりながら無名異焼に取り組んでいる男であった。その昔、捨て子だった伸枝は結婚して幸せを掴んだが、突然夫が蒸発。夫を捜すために島を出た伸枝は、14年前、夫ではなく代わりに坂本を連れて戻ってきた。その後、民宿を始めた伸枝の居候になった坂本は、無名異焼を学び、今では“先生”と呼ばれる程になっていたのだ。
陽介の質問に対し、坂本は大垣が殺された頃、窯に火を入れていた、とアリバイを主張した。事件現場と坂本の窯の距離は、徒歩で90分。しかし、火を入れている間は一歩たりとも窯の前から離れることが出来ず、もし離れれば直ちに作品に影響が出るという。
また、人捜しの女に関しては、あっさり人違いだと否認した。

ところが、その翌日、立花は、工房の内部で死亡している坂本を発見した。現場は密室状態であったが、捜査担当の刑事・武藤(夏八木勲)は、何者かに刺された坂本が犯人逃走後に内側から鍵をかけた、と見抜く。そして、窯から出された作品を鑑定した結果、大垣の事件当時、坂本が窯から一歩も離れていなかった、ことが分かった。
事件の手掛かりが全く掴めない中、フェリーの乗船名簿を洗った根岸から、謎の中年女性が宍倉美恵子(萩尾みどり)という東京在住の主婦ではないかとの連絡が入った。美恵子の夫・宍倉辰男は、15年前、詐欺と殺人で指名手配になった男。1億円を持ち逃げした宍倉は、その1年後、遺体こそ発見されなかったが、富士山麓の樹海で自殺したとみられていた。
指紋の照合で坂本が宍倉本人と判明する中、立花の取材を受けた美恵子は、新聞で夫が生きていることを知り佐渡に渡った、と証言。15年ぶりに対面したものの、夫が伸枝と夫婦同然で暮らしていると知り、そのまま佐渡を離れた、と明かした。美恵子の話などから推察すると、坂本が持ち去ったとされる1億円に関しては、全て大垣の手に渡っていたらしい。

まもなく、坂本の窯の近くで、大垣殺しの凶器が発見されたと知った立花は、そのトリックを解明、さらに密室殺人の謎にも気付いて――。