弁護士 朝日岳之助(19)
亡時刻の罠』



朝日 岳之助 * 小林 桂樹
栗原 朋子 * 柴田 理恵
朝日 周平 * 林  泰文
谷口 宏美 * 持田 真樹
江森 孝史 * 大浦 竜宇一
江森 加奈子 * 丘 みつ子
谷口 昌也 * 新藤 栄作
谷口 麻子 * 銀 粉 蝶
江森 啓介 * 石山 雄大
橋爪  保 * 田口 主将
木村 芳恵 * 中上 ちか
兵藤 圭太郎 * 榎木 孝明


企   画 * 酒井 浩至
原   作 * 姉小路 祐
脚   本 * 峯尾 基三
監   督 * 田中  登
チーフプロデューサー * 増田 一穂
プロデューサー * 服部 比佐夫
    * 大野 哲哉
    * 平松 弘至
音   楽 * 糸川 玲子





朝日(小林桂樹)の事務所に江森加奈子(丘みつ子)という女が訪れ殺人で起訴された息子・孝史(大浦龍宇一)の弁護を依頼した。
4日前に起きたその事件とは、孝史が恋人・谷口宏美(持田真樹)の母親・麻子(銀粉蝶)をスカーフを使って絞殺した、というもの。現場で検出された指紋、逃走する孝志を見たという目撃証言、そして、なにより孝史が容疑を全面的に認めていたことから、有罪は99.9パーセント間違いない。孝史は、宏美との結婚を麻子に反対されカッとなって殺した、と供述していた。

孝史は、昨年病死した父・江森啓介(石山雄大)と前妻との子供。江守が生前社長をしていた家具会社は、現在、麻子の弟で宏美の叔父に当たる谷口昌也(新藤栄作)が社長を務め、麻子自身も会社の部長をしている。加奈子の話によると、事件当日、加奈子は事件現場になった麻子のオフィスを訪れ、孝史と宏美の結婚に反対している理由を直接質していた。だが、麻子は、なぜかそのことを答えなかったらしい。

そんな中、現場を見た朝日と兵藤は、事件の日に加奈子が麻子にプレゼントした藍染めのスカーフが見当たらないことに気付いた。鑑識が撮影した現場写真では、麻子の首に実際絡まっているのは麻子が普段使っているオフホワイトのもの。もし、藍染めのスカーフが凶器として使用されたとすると、加奈子が帰った後に現場に入り惨劇を見た孝史がそのスカーフを見て、加奈子を犯人と考える可能性が高い。孝史は、加奈子のアリバイが完全に証明されたことを知らないはずであった。

まもなく、孝史に接見していた兵藤が、孝史の加奈子に対する誤解を解くため、弁護士法違反を覚悟で、携帯電話を使い2人に会話をさせる行動に出た。これで加奈子が無実だと気付いた孝史は、第一回公判でこれまでの供述を翻して無実を主張。自分が現場に行った時、すでに麻子が藍染めのスカーフで絞殺されていた、と証言。麻子の首から外してオフホワイトのものと替えた藍染めのスカーフに関しては、焼却したと明かした。これに対し、検察側は兵藤の接見交通権の濫用を指摘して反撃。懲戒委員会にかけられることになった兵藤が、場合によっては弁護士資格を剥奪される可能性が出てきた。何としても、裁判に勝つ必要に迫られた朝日は必死。その朝日が興味を抱いたのは、なぜ麻子が孝史と宏美の結婚に反対したのか、ということであった。

やがて、孝史の周辺を調査した朝日は、昨年狭心症の発作で倒れた啓介の死に注目した。
啓介は普段から心臓病の特効薬のニトログリセリンを携帯していたのだが、死亡した時、なぜかその“命の綱”を持っていなかったのだ。啓介が死亡した場所は、伊豆のゴルフ場にあるコテージ内。啓介が、麻子、昌也、そして、現在、昌也の秘書をしている橋爪(田口主将)の4人でラウンドしていたと知った朝日は、その“病死”に犯罪の匂いを感じ取って――。