うさぎと亀 〜の樹の下で〜』



愛川 千代 * 市原 悦子
森島 多恵 * 淡路 恵子
大場 美津子 * 金 久美子
大場 文彦 * 萩原 流行
高倉 直樹 * 松澤 一之
藤木 詩織 * あめく みちこ
片山 優太郎 * 久保 酎吉
山 本 校 長 * 大和田 伸也
鎌田 常夫 * 井川 比佐志


企   画 * 酒井 浩至
脚   本 * 石原 武龍
監   督 * 雨宮  望
チーフプロデューサー * 増田 一穂
プロデューサー * 前田 伸一郎
    * 塚田 哲也
    * 黒川 浩行
音   楽 * 糸川 玲子





私立の小学校で給食の賄いをしている64歳の愛川千代(市原悦子)は、学校側から職員1名削減の指示が出たと知り、40年間勤めた仕事をあっさり辞めた。職場には幼なじみの親友・森島多恵(淡路恵子)がいて、身寄りのない千代にとって大切な話し相手になっている。人のいい千代は、この多恵の娘・美津子(金久美子)の夫で、建設会社に勤務していた大場文彦(萩原流行)がリストラされたと知り、多恵に仕事を譲ったのだ。
だが、再就職を目指してハローワークや大場も行っている再就職支援会でも、学歴や資格がない千代に仕事はない。大場が元部下の人事部長・高倉直樹(松澤一之)から冷たい扱いをされているのを偶然目撃した千代は、不況の時代の厳しさを実感した。たまたま幼なじみで、多恵とも親しい鎌田常夫(井川比佐志)と再会した千代は、ティッシュ配りの仕事を紹介してもらい、喜んで街頭に立った。

まもなく、近くの河川敷で車ごと燃えた焼死体が見つかり、車が大場のものと確認された。司法解剖の結果、死体の頭部には傷があり、他殺の可能性もある。警察は、美津子から提出してもらった大場のヘアブラシなどを元に死体をDNA鑑定して、焼死体が大場だと発表。捜査の対象は、姿が見えなくなった高倉に移った。多恵は、娘婿が殺されたショックを吹き飛ばすように、千代と手作りパンの店をやろうと持ちかける。千代は、高級甘味料の和三盆を振り掛ける揚げパン作りが大得意なのだ。

ところが、ティッシュ配りをしていた千代は、美津子がなんと死んだはずの大場とホテルで会っているのを目撃し、慌てて2人を捕まえて事情を聞いた。話によると、死んだのは誰だか不明だったが、大場らは生命保険を手に入れるためにヘアブラシなどを工作したのだという。美津子から、大場が生きていると明かされた多恵は、驚いて言葉もなかった。

第2の事件は、大場が身を隠していたホテル内で発生した。美津子から“逃走資金”を貸して欲しいと頼まれホテルの一室を訪ねた千代は、そこで頭から血を流して死亡している大場を発見したのだ。警察は、焼死体を高倉と断定すると共に、美津子を夫殺しと保険金詐欺の疑いで調べ始めた。
そんな中、千代は、大場殺しの現場に揚げパンがあり、そこに和三盆がかけられていたと知った。揚げパンに和三盆をかけるやり方は、多恵は知っていたが、美津子は知らないはずなのだ。まもなく、警察の取り調べを受けていた美津子に会った千代は、夫のリストラで追いつめられた妻の悲しい胸の内を告白されて――。