検事・夕子(21)
人の目者』



霞  夕子 * 床嶋 佳子
池淵 鞠子 * 涼風 真世
池淵 唯和 * 清水 章吾
藤田 安紀 * 川島なお美
池淵 泰代 * 淡路 恵子
和倉 暁平 * 小沢 和義
岡   島 * 浅見小四郎
球磨功三郎 * 斉藤 洋介
片 桐 警 部 * 河原崎建三
霞  友行 * 村田 雄浩
霞  瑞江 * 朝丘 雪路


企   画 * 酒井 浩至
原   作 * 夏樹 静子
(『二人の目撃者』より)
脚   本 * 坂上かつえ
監   督 * 猪崎 宣昭
チーフプロデューサー * 増田 一穂
プロデューサー * 佐光 千尋
    * 古賀 倫明
    * 元信 克則
音   楽 * 糸川 玲子





 川崎市内のマンションで刺殺事件が発生した。被害者は和倉暁平(小沢和義)という元バーテンで、検死官の見立てによると、死亡時間は午後の1時から5時まで。だが、捜査陣は、配達された夕刊が室内に取り込まれていたことから、犯行時間を夕方の4時から5時の間と絞って捜査を開始した。

 すぐに捜査陣が注目したのは、事件の少し前、和倉の銀行口座に振り込まれていた500万円の金。振り込んだ売り出し中のデザイナー・藤田安紀(川島なお美)は、500万円は元夫だった和倉に融資したバーの開業資金だったと話し、犯行時間当時は自宅にいて1人で仕事をしていたと証言した。
 まもなく、捜査陣は、安紀が池淵唯和(清水章吾)という照明家と愛人関係にあったらしいとの噂をキャッチ。500万円が和倉による恐喝絡みの金だった可能性が浮上した。

県警の刑事・片桐(河原崎建三)の聞き込みによると、安紀と和倉が別れるときは大もめになったが、安紀からの手切れ金でようやく決着したはずで、今さら500万円も融資されたとは考えられない。捜査陣は、池淵との関係をやっかんだ和倉が安紀を強請ったとにらんだのだ。

 夕子(床嶋佳子)がその自宅を訪ねて会った池淵は、妻・鞠子(涼風真世)、母・泰代(淡路恵子)と3人暮らしの地味な男だった。泰代は痴呆の症状がかなり出ており、鞠子はそんな泰代を一生懸命介護している。
夕子の聴取に、池淵は献身的な鞠子を裏切るはずはないと安紀との関係を否認し、恐喝などなかったと話す。だが、電話の通信記録から、和倉が池淵に数回接触していた事実が明らかになり、やはり安紀が池淵と不倫していた可能性が濃厚になった。

 そんな中、犯行時間当時、安紀が自宅にいなかったとの証言が飛び出し、さらに現場から安紀のマンション近くまで中年の女を乗せたといタクシーの運転手が現れた。だが、安紀に対する容疑が強まる中、池淵家の近所の住人の証言から予想外の事実が明らかになった。なんと安紀は、犯行時間当時、池淵家を訪ね、1人でいた泰代と話をし、その髪を洗ってやったらしいのだ。

 夕子の追及に重い口を開いた安紀は、事件の前日、秘密裡に付き合っていた池淵から別れを告げられたと告白。なぜ池淵が自分ではなく鞠子を選んだのかを確かめるために家を訪ねたと話す。そして、泰代と話をし、その髪を洗ってやった安紀は、初めて鞠子の苦労を実感し、池淵の家庭を壊してはいけないと気付いたというのだ。

 事件発生当時の池淵のアリバイは完壁。さらに安紀のアリバイが明らかになったため、捜査は振り出しに戻り、片桐らは、和倉の交友関係を洗い始める。
しかし、夕子は、犯行現場のポストに入っていた郵便物が、夕刊の以前に配られていた事実を確認。和倉を殺した犯人か関係者が、犯行時間を隠すために夕刊を取り込み、その際、郵便物には気付かなかったとにらんだ――。