根湯河原泉交番
経の涙』



堤 梅太郎 * 船越英一郎
堤  鈴子 * 榊原 郁恵
堤  さち * 五月 みどり
清家  保 * 梅宮 辰夫
岡林 芳郎 * 六平 直政
豆   奴 * 中野 良子
沼田 善一 * 大竹まこと
堤  吉彦 * 毒蝮三太夫
丹下  均 * 京本 政樹
藤原 貞夫 * 松村 雄基
平泉 友美 * 石野 真子
藤原 武雄 * 長門 裕之
平泉 治郎 * 田村 高廣


企   画 * 酒井 浩至
脚   本 * 酒井 直行
    * 野口ゆかり
監   督 * 武田 幹治
チーフプロデューサー * 梅原  幹
プロデューサー * 前田伸一郎
    * 小泉  守
音   楽 * 大谷 和夫





 温泉の町、神奈川県湯河原では、赤ひげ先生こと医師の平泉治郎(田村高廣)と、名刀“義経の涙”を受け継ぐ刀鍛冶師・藤原武雄(長門裕之)の仲違いは有名だった。互いに、平家と源氏の末裔ということもあったが、1年前、病気だった武雄の妻が治郎の診察を受けた後で死亡したことが決定的な原因となった。医院に最新設備がないため、治郎は大きな病院での検査を勧めた。だが、武雄の妻がそれを怠ったため、命を落としてしまったのだ。
2人は、それぞれ古美術修復師をしている娘・平泉友美(石野真子)、刀鍛冶師の藤原貞夫(松村雄基)と二人暮らし。この友美と貞夫が恋仲だったことも、町ではよく知られていた。

 亡父の後を継いで地元の駐在巡査になった堤梅太郎(船越英一郎)は、貞夫と親友だったこともあり、その辺りの事情には精通していた。折りから、友美が妊娠していると知った堤は、いつか貞夫と友美が結ばれ、治郎と武雄が和解して欲しいと心から願っていた。

 そんなある日、藤原家の工房内で、武雄の割腹変死体が見つかった。検死の資格を持つ治郎の解剖所見によると、致命傷になったのは背中を突き抜けるかと思える深さの刀の刺し傷だった。また、直接の死因ではなかったが、武雄が末期の肝臓がんだったことが明らかになった。捜査陣には、武雄が自分の病状を知っていたとの事実が伝わり、病気を苦にしての自殺との空気が漂った。だが、堤は、武雄が“義経の涙”を超える刀を作ると意気込んでいたことから、他殺の可能性が強いとにらんだ。

 まもなく、工房にあった“義経の涙”がなくなっていることが分かった。貞夫は、刀の焼入れの秘密を知りたがっていた弟子で、箱根で刃物屋を営んでいる丹下均(京本政樹)に疑いの目を向ける。事件を担当した所轄の刑事・岡林(六平直政)は、貞夫と友美にアリバイがなく、武雄と新しい病院の建設予定地の問題でもめていた治郎も捜査の対象として考えていた。

 第二の事件は、そんな中で起きた。事件とは無関係と主張していた丹下の変死体が湯河原の名所・自害水で見つかったのだ。丹下が武雄の工房から盗まれた“義経の涙”を握りしめ、頚動脈に切り傷があったことから、岡林は、武雄を殺した罪の重さに耐えかねて自殺したのではないかと推理する。

 だが、丹下が握りしめていた“義経の涙”から、武雄のものと思しき血痕が検出されたことから、事件はさらに謎を深めて――。