形船の 2』



小松志保子 * 坂口 良子
小松  匠 * 杉本 哲太
岩倉 源三 * 藤村 俊二
小松 清美 * 草笛 光子
高島 千恵 * 藤 真利子
高島 健一 * 藤間 宇宙
矢野 啓子 * 橘 ゆかり
住   職 * 坂本 長利
相川 聖治 * 夏八木 勲
小松 雅美 * 新藤 恵美
坂下 良男 * 畑山 隆則
坂下 春子 * 駒塚 由衣


企   画 * 酒井 浩至
脚   本 * 重森 孝子
    * 外村 朋子
監   督 * 吉本  潤
チーフプロデューサー * 梅原  幹
プロデューサー * 佐光 千尋
    * 金田 和樹
    * 石坂久美男
    * 里中 哲夫
音   楽 * 糸川 玲子





 16年前に発生した放火殺人事件の被害者・高島孝太郎(大村波彦)の十七回忌があった日、清美(草笛光子)は思わぬ人物を見かけた。相川聖治(夏八木勲)――刑務所から出たばかりらしい高島殺しの加害者だ。この事件は、当時、高島造船の従業員だった相川が、社長・高島孝太郎の妻・千恵(藤真利子)に横恋慕して孝太郎を殺害し、現場の材木小屋に放火したというもの。相川はすぐに自首し、16年間服役していたのだ。

 現在、高島造船の社長として頑張っている千恵は、一人息子の健一(藤間宇宙)と2人暮らし。千恵と仲がいい志保子は、予備校に通う19歳の健一のことをいつも気にかけていた。清美の調べによると、仮釈放中の相川は、家族がいないため、保護司である住職(坂本長利)の寺に身を寄せているようであった。

 翌日、志保子らは、高島造船の事務員・矢野啓子(橘ゆかり)が何者かに殺されたと知った。啓子は、会社の経理を担当していたが、個人的には金遣いが荒いとの噂があった女。聞き込みにきた刑事の話によると、啓子は法事の途中に中座したまま行方不明になり、しばらくして近くの河原で死体で発見されていた。

 住職を訪ねた志保子は、その啓子の意外な一面を知った。啓子は、サラ金にかなりの借金があるにもかかわらず、毎年冬が近づくと、受刑中の相川に自分の名前で差し入れて欲しい、と暖かい肌着を持ってきていたのだ。刑事が話を聞きに来ていたせいか、住職は、相川がそんな啓子を殺すはずがない、と言い切る。

 小松家では、相川と愛し合っていた啓子が、なぜ、高島造船でずっと働けたのか、ということが話題になった。噂によると、千恵は、会社の経営が火の車だったにもかかわらず、啓子には金銭的な援助を惜しまなかったとのこと。警察が参考人として相川の聴取を始める中、志保子らは、高島家に何か別の秘密が隠されているのではないか、とにらんだ。

 まもなく、寺で、相川が啓子から差し入れてもらっていたという肌着を見た志保子は、その一枚一枚に施されていた刺繍から、それらが全て千恵の差し入れだったことに気付いた。千恵は、どうやら自分の名前を隠すため、啓子に命じて差し入れさせていたらしいのだ。
相川が16年前の事件の犯人ではなかったと察知した志保子らは、なぜ相川が素直に自首したのか推理した。相川は、啓子殺しでの取り調べでも、完全黙秘を貫いているらしい。相川は、誰かの身代わりになって罪を被ったに違いなかった。
 そんな中、志保子は、事件の前、出所した相川と健一との奇妙な出会いを思い出した。志保子は、偶然、健一が相川をナイフで襲ったのを目撃したのだが、その時、相川は、健一をたしなめた後で抱きしめ、「健一」とつぶやいていたのだ。