の医者 神山郎(6)
形依存の



神山 治郎 * 高橋 英樹
柳井 英恵 * 奈良岡朋子
大橋 辰子 * 岡本  麗
安藤 響子 * 小林 綾子
井上 由華 * 日下部 新
古谷奈津子
(高梨美紀)
* 高橋かおり
進藤日出子 * 左  時枝
古谷 紀代 * 平  淑恵
多田 院長 * 島田 順司


企   画 * 酒井 浩至
原   案 * 宮川 一郎
脚   本 * 難波江由紀子
監   督 * 岡屋 龍一
チーフプロデューサー * 梅原  幹
プロデューサー * 服部比佐夫
    * 桑原 秀郎
    * 島田  薫
音   楽 * 丸谷 晴彦





 神山(高橋英樹)らの診療所に、定期的に痴呆気味の義父を連れてくる進藤日出子(左時枝)という主婦がいた。日頃の介護疲れが原因か、その眉間にはくっきりと深く刻まれたシワがあり、表情も暗い。
ところが、神山にアゴに傷痕のある謎の女がリンゴをプレゼントする、という奇妙な出来事があって程なく、その日出子の表情が変わり始めた。神山の口添えで義父のデイケア先が決まったこともあったのだが、表情が明るくなり肌もツヤツヤしてきたのだ。1ヵ月後、眉間からもシワが消え、日出子は見違えるように美しくなっていた。

 その美しさの秘密がエステだとの話を伝え聞いた神山と響子(小林綾子)は、日出子が美容整形をやっているに違いないとにらんだ。
普通、眉間の深いシワはエステではまず取ることが出来ない。そして、日出子が美容整形をしていることは、義父が喘息の発作を起こしたのがきっかけで明らかになった。日出子の顔に五百円玉大のタダレが出来たのはそれから間もなくのこと。傷の治療をした神山に、日出子は美容外科に行くことになった妙なきっかけを明かした。

 それによると、日出子は、神山にリンゴをプレゼントした女・高梨美紀(高橋かおり)に街中で声をかけられ、自分の店だというエステサロン「高梨」で施術をしてもらった。これで美しくなることに目覚めた日出子は、美紀の紹介で美容外科に行きシワトリの手術を受けたというのだ。傷に関しては、前日、美容外科で皮膚の角質を取る“ピーリング”を行い、美紀の店でケアをしてもらった後に発症したらしい。

 ピーリングに使う薬品は一般的にフルーツ酸で、どんなに濃いものでも皮膚がタダレた状態にはならない。どうやら日出子は、その美紀という女に何かの劇物を塗られたようであった。そして、リンゴを持つ美紀の顔を思い浮かべた神山は、下アゴに同じ傷痕があった一人の少女のことを思い出した。

 15年前、仙台の救急病院にいた当時、神山は交通事故で下アゴを粉砕骨折した古谷奈津子という少女の治療を担当したことがあった。神山の懸命の手術で、アゴの機能は完全に回復したが、患部に傷痕が残ってしまった。
神山は、傷痕について奈津子に説明しようとしたが、奈津子の母親・紀代(平淑恵)が自分で直接話すと約束。だが、悲しむ娘の顔を見たくない紀代は、美容整形で傷痕は完全に消えると話してしまったのだ。そして、神山は、退院したその奈津子から、しばらくしてリンゴをプレゼントされていた。

 エステサロンを訪ねた結果、元店長だった美紀が、定休日に日出子を店に連れ込んでいたことが判明。さらに美紀が、日出子を紹介した美容外科で何度も手術を受け、揚句の果てに院長の多田(島田順司)を脅していたことも分かった。

 美紀が奈津子と同一人物だと確信した神山は、すぐさま紀代を仙台から呼び寄せた。そして、一緒に多田を訪ねた結果、医院の資料写真から、整形依存症になっていた奈津子の悲しい顔の遍歴が明らかになって――。