都金沢返し殺人件』



五代 凛子 * 賀来千香子
五代セツ子 * 菅井 きん
五代 善三 * 赤井 英和
手川 信次 * 布施  博
手川 広美 * 渡辺  梓
秋田千鶴子 * 川島なお美
駒田 夏子 * 春 やすこ
北山 和枝 * 絵沢 萌子
出島 五郎 * 桑名 正博
五十嵐宗介 * 織本 順吉
大友 警部 * ケーシー高峰
鴨田 刑事 * 上杉 祥三


企   画 * 酒井 浩至
脚   本 * 酒井 直行
監   督 * 岡屋 龍一
チーフプロデューサー * 梅原  幹
プロデューサー * 前田伸一郎
音   楽 * 川村 栄二





 凛子(賀来千香子)がひょんなことから、マスコミで取り上げられる程の名品を織り上げた西陣織職人・手川信次(布施博)の密着取材をすることになった。
ところが、妻・広美(渡辺梓)と二人暮らしの手川は、現在は酒びたりの生活で、織物を余り織っていない様子。手川の工房を訪ねた凛子は、そこに来ていた呉服屋の女将・駒田夏子(春やすこ)の話から、手川がかなりの借金を抱えていると知った。

 そんな手川の工房に、弟子入り志願の秋田千鶴子(川島なお美)という妖艶な雰囲気の女が現れた。千鶴子がかなりの腕を持っていることに気付いた広美は、女の勘で拒否反応を示す。だが、千鶴子の織った帯を一目見た手川は、あっさり弟子入りを許可し、その夜から一緒に機に向かい始めた。
手川から酒気が抜けたこともあり、忘れかけていた緊張感が工房内に漂う。だが、手川と千鶴子の親密な共同作業を目の当たりにした広美は、心穏やかでない。

 しばらくして、夏子、織り元の社長・出島五郎(桑名正博)、製糸問屋社長・北山和枝(絵沢萌子)の3人が工房に現れ、明日に迫った帯の生地の納入を催促した。金を貸している3人は強気で、もし明日までに納入できないなら、かつて流産した子供の鎮魂のために織り上げた手川の傑作の帯“夕鶴の舞”を借金のカタに取り上げると告げた。

 だが、翌日、千鶴子と一緒に織り上げた生地は、手川にとって満足できるものではなかった。広美は、押しかけてきた夏子ら3人と、納入を渋る手川の間に立たされ、困り果てる。

 事件はそんな中で発生した。第三者ながら、生地の納入延期を夏子に頼むため工房の倉庫に行った凛子は、そこで夏子の他殺死体を発見したのだ。
通報で駆けつけてきた大友警部(ケーシー高峰)は、現場の状況から、犯人が手川、広美、千鶴子、出島、和枝の中にいる、と断定し、それぞれの事情聴取を始める。工房には、凛子の夫で、新聞記者の善三(赤井英和)も取材で現れ、ガ然慌ただしくなった。

 まもなく、下調べをしたらしい善三と共に、丹後在住の西陣織職人・五十嵐宗介(織本順吉)を訪ねた凛子は、それまで謎だった千鶴子の正体を知った。
千鶴子は、手川と同じ師匠の下で修行を積んだ伝説の名工・秋田晴夫の一人娘だったのだ。五十嵐の話によると、秋田は夏子に騙され借金漬けにされ、5年前に妻共々首吊り自殺。これを知った千鶴子は、なぜか父親と縁があった五十嵐に弟子入りし、必死に織りの修業をしたらしい。
 夏子の店の店頭に、秋田の西陣帯の傑作“飛翔”が飾ってあることを思い出した凛子は、事件が千鶴子による復習劇ではないかとにらんだ。
大友警部らは、現場で採取された指紋や毛髪などから、広美を任意で取り調べる。だが、広美と長年苦楽を共にしてきた手川は、広美の無実を信じ、“夕鶴の舞”を超える新作に向けて動き出した。

 そんな中、出島の絞殺死体が、その事務所で見つかった。警察は、現場に落ちていた髪飾りから、千鶴子の犯行と察知。
千鶴子も、夏子と出島の連続殺人を認める供述をするが――。