部補 佃次郎(19)
『妻の密』



佃  次郎 * 西郷 輝彦
早田 公平 * 六平 直政
石堂  寛 * ベンガル
前沢 純一 * 大河内 浩
中村美香子 * 音無美紀子
中村 洋介 * 草刈 正雄
伊藤 孝子 * 沢田 雅美
伊藤 卓治 * 石倉 三郎
杉  瑞江 * 渡辺 典子
平山  保 * 東  幹久
中村 良市 * 織本 順吉
植木 勝子 * あき 竹城
山野 祐子 * 池田貴美子


企   画 * 酒井 浩至
原   作 * 五十嵐 均
脚   本 * 篠田 富雄
  * 野口ゆかり
監   督 * 淡野  健
チーフプロデューサー * 梅原  幹
プロデューサー * 前田伸一郎
    * 荻野 哲弘
    * 小橋 智子
    * 清水 一夫
音   楽 * 丸谷 晴彦





 都内の住宅で中村良市(織本順吉)という脳梗塞で寝たきりの一人暮らしの老人が殺害された。死因は、枕で顔を押さえつけられたことによる窒息死。事件は荒らされた現場の状況から、物盗りの犯行と思われた。死体の第一発見者は、被害者の娘の伊藤孝子(沢田雅美)。兄・中村洋介(草刈正雄)の妻・美香子(音無美紀子)、ヘルパーの植木勝子(あき竹城)と3人で被害者の介護をしていた孝子は、当番のその日に実家に行き、死亡している父親を発見したのだ。

 石堂(ベンガル)の警視庁捜査一課が物盗りの線で捜査を進める中、所轄の佃(西郷輝彦)、早田(六平直政)らは、様々な事情を抱える関係者の事情聴取を始めた。孝子の夫・伊藤貞治(石倉三郎)が経営する町工場はこの不況で火の車。また、中村と子供が産めない体の美香子には、2年前から離婚話が囁かれていた。中村に事情を聴いたところ、離婚話の原因は、美香子本人も認めた浮気。この離婚話は、最近になってまた再燃しているらしい。

 そんな中、勝子の証言がきっかけで、被害者の指示で銀行から下ろした200万円が、現場から消えていたことが判明。見慣れない男が現場に入ったとの目撃証言があったことから、工場の資金繰りが悪化している伊藤に疑惑が集中した。捜査陣の追及に、孝子は現場から200万円を持ち出していたことを自供。これを知った伊藤は、1億円程ある被害者の遺産を狙ったと犯行を自供した。だが、佃は、孝子が父親を殺したと思った伊藤がその罪を被るつもりで嘘の自供をしたと察知。そのアリバイを証明してくれる人物を探した結果、伊藤の無実が証明された。

 そこで、佃が興味を抱いたのは、自分たちも偶然見かけた美香子の浮気相手だった。美香子の料理教室の助手・杉瑞江(渡辺典子)の話によると、その人物は、美香子の“青春の思い出”に関係しているらしい。そして、捜査の結果、美香子の浮気相手が少壮の辣腕弁護士・平山保(東幹久)だと判明した。

 葬儀の日、意外な事実が明らかになった。手伝いにきていた瑞江の妊娠が発覚。その相手が中村だということが分かったのだ。最近、中村から出た離婚話は、この瑞江の妊娠が関係しているようであった。それにしても、2年前、浮気を告白した美香子はなぜ離婚しなかったのか。なぜ、寝たきりの舅の介護を熱心に続けていたのか。全てはまだ謎。佃は、その謎を解く鍵が美香子より18歳も年下の平山にあるとにらんだ。

 佃が次に向かった場所は、美香子の“青春の思い出”があるらしい生まれ故郷の西伊豆だった。関係者の話によると、幼くして両親を亡くし親戚の家で育った美香子は、高校時代、東京から遊びにきた大学生と駆け落ち。すぐに連れ戻されたものの、高校を中退した美香子は、その後、千葉の海で自殺未遂を図っていたのだ。

 一方、東京の捜査本部では、被害者が書いていたらしい遺言状のことが話題になっていた。被害者は、生前、熱心に介護してくれた美香子に全財産を贈ると言っていたとのこと。孝子は、現場から200万円を持ち去る際、同じく遺産が目当ての中村に吹き込まれてその遺言状を探した、と供述したのだ。平山から話を聞いた佃は、被害者がなんと事件当日に平山に遺言状を渡していたと知り、言葉もない。
 まもなく、佃は、美香子の親代わりともいうべき病院院長の関係者が千葉にいる、との情報を入手。すぐにその人を訪ねた結果、驚愕の事実を掘り起こした――。