『うさぎ亀(2) 〜川のれのように〜』



愛川 千代 * 市原 悦子
菊池亜希子 * 戸田 恵子
盛田 宏子 * 李  麗仙
藤尾 刑事 * 石田 太郎
菊池 正幸 * モロ 師岡
菊池 文哉 * 綾野  幹
菊池 翔太 * 森  輝弥
盛田 一郎 * 正名 僕蔵
佐々木刑事 * 柏   進
篠原 刑事 * 藤井 びん
湯浅周太郎 * 米倉斉加年
花井 房枝 * 草笛 光子


企   画 * 酒井 浩至
脚   本 * 石原 武龍
演   出 * 雨宮  望
チーフプロデューサー * 梅原  幹
プロデューサー * 前田伸一郎
    * 荻野 哲弘
    * 塚田 哲也
    * 黒川 浩行
音   楽 * 糸川 玲子





 小学校のパート給食師をしている千代(市原悦子)が今はまっているのは、市民センターで開かれているちぎり絵教室。作品作りはもちろんなのだが、千代はここで同年輩の友達、盛田宏子(李麗仙)や花井房枝(草笛光子)とおしゃべりをするのが何より楽しいのだ。
その日は、かつて宏子の夫のライバルだったという大学病院の元外科部長・湯浅周太郎(米倉斉加年)が教室に参加したことから、千代らは盛り上がる。だが、屋台で七味唐辛子買った4人の話題が年金のことになって程なく、房枝と言葉を交わした宏子が急に怒って帰ってしまった。

 その夜、千代の一人暮らしのアパートを宏子が訪れ、寂しい胸の内を明かした。実は、大学病院の医師だった宏子の夫は、外科部長の選挙で湯浅に負けた次の日、「湯浅に嵌められた」と言い残して自殺していた。その日から何も信じられなくなった宏子は、心を閉ざした結果、友達も全て無くしてしまったという。陰ひなたのない千代の正直な人柄を見抜いたらしい宏子は、「私を見捨てないでね」と胸に飛び込んで嗚咽。千代はそんな宏子を優しく受け止めて力付けた。

 事件が起きたのは、その次の日のことだった。料理を作った千代は、マイブレンドの唐辛子を持ち、同じく一人暮らしの宏子と一緒に食べようとその自宅を訪ねて、宏子の死体を見つけたのだ。検証した警察の話によると、宏子の死因はテーブルの角に頭をぶつけたため。刑事から、宏子が高利貸しをやっていた、と告げられた千代は、ア然としながらも、それが寂しい宏子の一種の自己防御だと思った。

 湯浅と話した千代は、宏子の夫を死に追い込んだことに対し、強い罪悪感を抱いていると知った。病院を退職後、妻に離婚を通告されたらしい湯浅は、現在、ケアマンションで一人住まい。贖罪の思いからか、ぜひ真犯人を突き止める、という湯浅。千代は、湯浅のこの言葉が嘘ではないと確信した。

 まもなく、千代は、亜希子の家の家計がかなり苦しいと知った。亜希子は、以前、料理店を経営していた夫・正幸(モロ師岡)と2人の子供の4人家族。正幸が失業中のため、亜希子は調理員以外の仕事もしている。この家に身を寄せている房枝は、自分が生きる価値は、2ヶ月に一度もらうほんの少しの年金を亜希子に渡すこと、と寂しげにつぶやいた。

 房枝を励ますために菊池家を訪ねた千代は、食卓に、生姜と唐辛子を効かせた房枝のものではなく、宏子が買ったはずの山椒が多めの七味唐辛子があることに気付いた。不審に思って聞く千代に、あの唐辛子は房江のものとは別に自分が買った、と答える亜希子。千代は、房枝を疑ってしまったことを反省し、ほっと胸をなで下ろした。

 だが、菊池家と宏子の間に金にまつわるトラブルがあったことを知った千代は、菊地家の誰かが事件に絡んでいるとにらんだ。実は、新しい料理店を始めたい正幸らは、宏子に紹介された男の口車に乗って30万円を騙し取られていた。亜希子らは、男を紹介した宏子を追及したが、逆に、書類を確かめなかったことを責められたらしい。千代は、殺してやりたいほど宏子を恨んでいた、という亜希子に返す言葉がなかった。

 そんな中、宏子の息子・盛田一郎(正名僕蔵)に招かれて宏子の家を訪ねた千代は、そこにあった唐辛子と持ち歩いている自分の唐辛子の味をくらべて、あることに気付いた。