箱根河原温泉交番(2)
  『夫婦椿涙』




堤 梅太郎 * 船越英一郎
堤  鈴子 * 榊原 郁恵
堤  さち * 五月みどり
清家  保 * 梅宮 辰夫
岡林 芳郎 * 六平 直政
豆   奴 * 中野 良子
沼田 喜一  * 河原 さぶ
沼田 勝子 * 川俣しのぶ
久保井正志 * 工藤光一郎
新藤 克哉 * 井手らっきょ
寺の住職 * 神山  繁
堤  辰彦 * 毒蝮三太夫
今出川龍之介 * 筒井 康隆
柏原 華子 * 荻野目慶子
小林  悟 * 坂上  忍
関根 亮介 * 宍戸  開
柏原 貞江 * 星 由里子
西山 修二 * 井川比佐志
柏原 泰三 * 宍戸  錠


企   画 * 酒井 浩至
脚   本 * 川村 昌子
監   督 * 淡野  健
チーフプロデューサー * 梅原  幹
プロデューサー * 前田 伸一郎
    * 高橋 直治
    * 小泉  守
音   楽 * 大谷 和夫





 梅太郎(船越英一郎)が、関根亮介(宍戸開)という板前と10年前に駆け落ちした老舗旅館『椿屋』の一人娘・柏原華子(荻野目慶子)と、東京の神楽坂で再会。これがきっかけとなり、華子が両親である『椿屋』主人・柏原泰三(宍戸錠)、女将の貞江(星由里子)から、結婚の許可を得るため湯河原に戻ってきた。

 『椿屋』を常宿にしている食通の小説家・今出川龍之介(筒井康隆)、『椿屋』の食器を一手に作っている陶芸家の西山修二(井川比佐志)が玄関に居合わせる中、姿を見せた華子は、泰三と貞江に挨拶をしようとする。だが、頑固な泰三は、自分のいうことを聞かなかった華子の妊娠を知らなかったこともあり、旅館の敷居をまたぐことを許さない。

 さち(五月みどり)の話によると、実は貞江も、その昔、駆け落ちをするか否かの苦悩を味わったことがあった。以前、貞江は西山と愛し合っていたが、傾きかけた『椿屋』のために西山をあきらめ、実家が資産家の泰三と結婚していたのだ。衝撃を受けた西山は、湯河原を引き払って箱根に転居。だが、料理人である泰三がその食器に惚れ込んだことから、西山との仲は修復されていた。

 泰三の体調が悪いと知る梅太郎は、華子と和解するよう何度も勧めた。しかし、頑固な泰三の姿勢は、全く変わらない。そして、もう一人、梅太郎の動きを快く思わない人物がいた。以前、華子を巡り、関根と争った番頭の小林悟(坂上忍)は、親友だった関根への怒りが収まっていなかった。

 まもなく、『椿屋』の料理のことで騒ぎが起きた。華子が関根を連れて『椿屋』を訪れた際、逗留中の今出川が、泰三の料理に苦言を呈したのだ。翌日、泰三は起死回生の思いで包丁を握るが、今出川は「死んだ料理だ」と納得しない。しかし、『椿屋』の危機を知り厨房に入った関根は、見事、師匠の泰三を超える料理を作り、今出川の舌を唸らせてしまった。

 そして、事件は発生した。夜中に厨房に行った華子が、刺殺されている泰三を見つけた。遺体のそばには、西山が焼いた夫婦椿の湯飲みの破片。所轄の刑事・岡林(六平直政)が到着して程なく、旅館の池の中から、凶器の出刃包丁が発見された。包丁には関根の刻印があったが、関根は料理の後、板場で干していたと証言する。関係者にアリバイがなかったことから、捜査陣は頭をかかえた。

 ところが、貞江が警察に出頭し、なんと犯行を自供してしまった。供述によると、泰三は末期の肺がん。貞江は、毎日発作に苦しむ夫の姿を見て、思わず刺してしまった、という。だが、岡林は、包丁に貞江の指紋しかなかったことから、逆に貞江が誰かをかばっているのではないかとにらむ。

 そんな中、梅太郎は、華子と関根の神楽坂の店にもあった例の夫婦椿の湯飲みに、事件解決の手掛かりがあると気付いて―。