『屋形船の(3)』



小松志保子 * 坂口 良子
小松  匠 * 杉本 哲太
小松 清美 * 草笛 光子
岩倉 源三 * 藤村 俊二
立花 純一 * 渡辺いっけい
立花  明 * 蟹江 一平
工藤 光子 * 藤田 朋子
工藤 美佳 * 三船 美佳
島田  浩 * 渡辺  大
西本 大介 * 大高 洋夫
坂下 良男 * 畑山 隆則
坂下 春子 * 駒塚 由衣
沢田 刑事 * 中根  徹
煙火芸術協会会長 * 平野  稔
青   木 * 山西 道広


企   画 * 酒井 浩至
脚   本 * 重森 孝子
監   督 * 吉川 一義
プロデューサー * 佐光 千尋
    * 高橋 秀明
    * 石坂久美男
    * 里中 哲夫
音   楽 * 丸谷 晴彦





 小松屋の屋形船を使って行われた花火大会の準備会議で、出席者の男が老舗・青木煙火堂の看板花火師・西本大介(大高洋)に掴みかかる騒ぎを起こした。男は、20年ぶりにこの隅田川での花火大会に出品する立花屋主人・立花純一(渡辺いっけい)の弟・明(蟹江一平)。志保子(坂口良子)が場をとりなす中、明を押さえつけた匠(杉本哲太)は、その兄・純一が自分の幼なじみだと気づいた。

 郊外にある花火工場から駆けつけてきた純一と匠とは、28年ぶりの再会だった。弟の不始末を匠や志保子らに詫びた純一は、隅田川での花火大会にようやく参加できるようになった経緯を説明した。

 それによると、20年前、ある花火大会で、新米の花火師のミスによる観客の死亡事故が発生。大会の責任者だった純一らの父親は、犠牲者の家族に賠償金を支払うために、名門といわれた『立花屋』の工場を売却、失意の中で病死していた。何としても立花屋を再興したい純一は、その後、苦労しながら修業を積み、ようやく今回、隅田川での大会に参加できるようになったらしいのだ。

 まもなく、西本の他殺死体が川岸で見つかった。匠はすぐさま明に事件との関わりを質すが、明は犯行をきっぱり否認する。だが、事件発生の少し前、尾行したらしい西本が、明や純一行きつけの『みみ』というスナックに姿を見せ、そこで再び明と揉み合いになったようであった。

 匠と志保子が明に案内されて行った『みみ』は、工藤光子(藤田朋子)、美佳(三船美佳)という姉妹が2人でやっている店だった。そこに姿を見せた純一の弟子・島田浩(渡辺大)は、子供の頃の事故で耳が不自由になった美佳と恋人同士。志保子と匠は、事件発生当時、純一が試作品製造のため工場にカンヅメ状態になっていた、と知りホッと胸をなで下ろす。だが、志保子は、なぜか西本との関係を明かさない純一と明に首をひねった。

 そんな中、明が突然、西本殺害の容疑で警察に連行された。担当刑事の沢田(中根徹)の話によると、川の中から発見された凶器の花火発射筒が、明の部屋にあった物と同じだと分かったのだ。真相を明かすように迫る匠に対し、それまで作品作りに没頭していた純一は、ようやく重い口を開いた。実は、20年前に事故を起こした新米花火師というのは西本で、その罪を被った純一らの父親が病死した場所は、刑務所の中だったのだ。  純一らの話を聞くために再び『みみ』を訪ねた志保子は、光子と若干耳が聴こえるらしい美佳が、20年前の事故の被害者家族ではないかとにらんで―。