刑事鬼貫郎(17)
『炎記憶』



鬼貫 八郎 * 大地 康雄
鬼貫 良子 * 左  時枝
鬼貫真奈美 * 須藤 温子
碓氷 道夫 * 羽場 裕一
神保亜希子 * 山口 果林
下山  剛 * 竜  雷太
原田 和則 * 野村 祐人
原田 千春 *  
宇野 英生 * 山本 陽一
沢村ゆかり * 松永 玲子
黒川課長 * 天田 俊明
島田刑事 * 十貫寺梅軒
田代刑事 * 森本 浩


 
企   画 * 酒井 浩至
原   作 * 鮎川 哲也
『準急ながら』より
脚   本 * 坂上かつえ
監   督 * 吉本  潤
プロデューサー * 服部比佐夫
    * 大野 哲哉
    * 平松 弘至
音   楽 * 吉川 清之





 都内のマンションの一室で、宇野英生(山本陽一)という融資担当の銀行員が殺害された。遺体の状況から判断すると、怨恨による事件の可能性が極めて高い。遺体の第一発見者である部下の沢村ゆかり(松永玲子)は、宇野が1カ月程前、融資を巡るトラブルから、幼なじみに暴行を受けたと証言。鬼貫は、この事件を担当したのが先輩刑事の下山剛(竜雷太)だと知り、すぐさま所属の本郷署に向かった。

 下山の話によると、問題の人物は、宇野とは小学校から中学まで一緒で、現在、自動車修理工場を経営している原田和則(野村祐人)。暴行事件当時、宇野は告訴すると息巻いていたが、下山が間に入って穏便に収まったらしい。

 鬼貫らが会った原田は、宇野殺しは否認したもののアリバイはあいまい。また、宇野の子を堕ろしたらしいゆかりが、自殺を図ったこともあり、捜査はなかなか進展しない。鬼貫は、現場の状況から、犯人が着替えなども準備し、計画的に宇野を殺したとみた。  そんな中、鬼貫は、偶然下山と、その別れた妻・神保亜希子(山口果林)に会ったことから、悲惨な過去のある出来事を思い出した。10年前、下山は、亜希子、6歳になる一人息子と3人で幸せに暮らしていた。ある日、その子と隣家の子が2人だけでいた家で火事が発生。現場に駆けつけた下山は、炎の中に飛び込み、隣家の子を先に助け出したため、我が子を亡くしていた。警察は、自分の子を犠牲にして区民の命を救った下山に警視総監賞を授与したが、亜希子はこれに耐えきれず家を飛び出し、離婚していたのだ。  原田が宇野に融資を申し込む際の状況を調べた鬼貫は、その余りにも強引な姿勢に疑問を抱いた。そして、原田が宇野の何らかの弱味を握っているとにらんで話を聞いた結果、思わぬ事実が浮上した。

 宇野は、中学時代から優秀だったが、その陰で、万引きや動物虐待など様々な悪さを繰り返していた。放火もその一つで、宇野は当時近所で放火をしまくり、原田は、その現場を目撃したことがあるというのだ。

 原田が例の暴力事件の際、このことを下山に洗いざらいぶちまけた、と聞いた鬼貫は、思わず顔色を変えた。実は、宇野が放火をしていた当時、その場所に下山一家3人が住んでいたのだ。下山に対して疑惑を抱いた鬼貫は、課長・黒川(天田俊明)の許可を得て単独捜査を開始して―。