弁護士 日岳之助(22)
『死者の権』



朝日岳之助 * 小林 桂樹
栗原 朋子 * 柴田 理恵
朝日 周平 * 林  泰文
木下 信子 * 栗原 小巻
木下 修治 * 秋野 太作
前川 弘美 * 国分佐智子
前川 則夫 * 中西 良太
池添 正史 * 飯山 弘章
脇坂美奈代 * 栗田よう子
脇坂 亮一 * 樋浦  勉
山木  稔 * 水島 涼太
兵藤圭太郎 * 榎木 孝明


企   画 * 酒井 浩至
原   作 * 姉小路 祐
脚   本 * 峯尾 基三
監   督 * 田中  登
プロデューサー * 服部比佐夫
    * 大野 哲哉
    * 平松 弘至
音   楽 * 糸川 玲子





 朝日(小林桂樹)の事務所に、弟が一審で有罪判決を受けたという木下信子(栗原小巻)が訪れ、二審での弁護を依頼した。この案件は、脇坂亮一(樋浦勉)という街金の男が自分の事務所内で殺害された強盗殺人事件で、則子の弟・前川則夫(中西良太)が懲役13年6ヶ月の判決を受けていた。前川は、警察の取り調べでは犯行を認めたが、信子との接見で一転無実を主張していた。

 国選で一審の弁護を担当した池添(飯山弘章)の説明によると、街金の脇坂から200万円を借りていた前川は、脇坂を事務所内にあったサボテンの鉢で撲殺し、借入契約書を処分してさらに現金も盗んでいた。前川の自供、目撃証言などが揃う中、有罪の決め手となったのは、前川のズボンの裾から採取されたサボテンの土の軽石。池添は、客観的に見ても、一審判決が覆る可能性はないと言い切った。

 2年前、病気で妻を亡くした前川の家族は、娘の弘美(国分佐智子)ただ1人。結婚を間近にしていた弘美は、父親の一件が影響して破談になったらしい。

 ところが、朝日と兵藤が無実を主張する前川と接見して程なく、拘置所内の前川がくも膜下出血で急死。この結果、一審の有罪判決が確定してしまった。だが、前川が拘置所内で書き綴ったノートを見た朝日らは、その無実を確信、死者にも適用される刑事訴訟法第四三九条による再審請求に討って出る決意を固め、信子に伝えた。

 調査を開始した朝日がまず注目したのは、現場にあって凶器になったサボテンの鉢。被害者・脇坂の妻の美奈代(栗田よう子)の話によると、園芸が趣味の脇坂は園芸教室にも通っていた。脇坂の自宅にもあったサボテンの鉢の軽石を調べた朝日は、軽石に微量の卵の殻が付着しているのを確認。軽石のみだった物証と違いがあることに気付いた。

 この軽石の工作が証明できれば再審の突破口になるとみた朝日と兵藤は、脇坂から金を借りていた債務者253人全員の調査を開始する。事務所に行った時、脇坂はすでに死んでいた、と言った前川の証言から判断すると、真犯人がその253人の中にいる可能性が極めて高いのだ。

 そんな中、兵藤は、数ある街金の中から、前川が脇坂の店を選んだ理由を考えた。兵藤がその謎を解く鍵を握っていると見たのは、前川の後輩で、やはり脇坂から金を借りていた山木稔(水島涼太)。だが、山木を捜し出して話を聞いた兵藤らは、その内容に顔色を変えた。前川は、親戚の社長の紹介で脇坂から金を借りた、といっていたらしいのだ。前川にとって、親戚の社長というのは、溶接関係の小さな会社を経営している信子の夫・木下修治(秋野太作)しかいないのだ。

 兵藤はすぐさま木下に会って事情を聞くが、木下は前川に口利きはしていない、という。だが、この木下が、脇坂と同じ園芸教室に通っていたことが明らかになって―。