警部 佃次郎(20)
郷』



佃  次郎 * 西郷 輝彦
早田 公平 * 六平 直政
石堂  寛 * ベンガル
前沢 純一 * 大河内 浩
小出 秋子 * 伊東ゆかり
小出  聡 * 小野 武彦
大沢 康夫 * 布施  明
東條 克巳 * 橋  幸夫
田口 初江 * 中尾 ミエ
青木 千春 * 喜多嶋 舞
青木 悠輔 * 高橋 和也
北川 典子 * 大西 結花


企   画 * 酒井 浩至
原   作 * 夏樹 静子
『逃亡者』より
脚   本 * 野口ゆかり
監   督 * 淡野  健
プロデューサー * 前田伸一郎
    * 荻野 哲弘
    * 小橋 智子
    * 篠原  茂
音   楽 * 丸谷 晴彦





 都内にある郵政官舎の屋上で、北川典子(大西結花)という郵便局員の絞殺死体が見つかった。現場の遺留品は、典子の携帯電話、サイフの他、お守り袋が一つ。死体の第一発見者は、佃が、先日、静岡県川根町で開かれた小学校の同窓会で会ったばかりの“初恋の人”小出秋子(伊東ゆかり)であった。

 秋子の話によると、電話をしている間にいなくなった1歳半の孫・紗枝の泣き声が屋上でしたため現場に行き、そこで死体を発見したという。紗枝は、秋子が屋上に行っている間に、なぜか部屋に戻っていたらしい。秋子の家族は、夫でやはり佃の同窓生の小出聡(小野武彦)、一人娘の千春(喜多嶋舞)、その夫で郵便局員の青木悠輔(高橋和也)、そして、紗枝の5人。秋子は、たまたま青木家に遊びに来て、紗江の子守をしていたのだ。

 遺留品の携帯の通信履歴を調べ、聞き込みを行った捜査陣は、青木が同僚の典子と不倫関係にあったことを確認。青木の子供を妊娠したという典子が千春に離婚を迫っていたことが明らかになった。捜査陣の目は、当然ながらアリバイのない青木と千春に向けられる。だが、佃は、1ヶ月程前から、官舎の脇の道路にひんぱんに止まっていたらしいタクシーに興味を抱いた。タクシーが止まっていた位置は、青木家の中の様子がうかがえる場所なのだ。

 まもなく、問題のタクシーの運転手が、佃、秋子、聡らと同じ同窓生の大沢康夫(布施明)だと分かった。大沢は、その昔、プロ野球の選手になる、と故郷を出た男で、今回の同窓会にも出席していない。安アパートに一人住まいの大沢を訪ねた佃は、親友だった気安さもあり、事件のことを質す。大沢は、休憩していただけと、さりげなく答えるが、佃は、そんな親友の言葉に何か引っ掛かりを感じた。

 青木のアリバイが証明され捜査陣に焦りの色が広がる中、問題のお守り袋が秋子らの故郷、静岡県の榛北地域に伝わる伝統工芸の「葛布織り」で作られたものだと分かった。捜査陣は、千春にターゲットを移して取り調べを始める。事件発生時、官舎の隣りの公園にいた、という千春にはアリバイがないのだ。ただ、依然、謎として残るのは、子供を屋上に連れて行ったのが典子として、果たして誰が部屋に連れ戻したのかということ。佃の推理は、次第に事件の核心に近づくが、関係者に近いということで石堂(ベンガル)の命令で捜査から外されてしまった。

 仕事を離れて同窓生の一人、田口初江(中尾ミエ)に会った佃は、思わぬ話を耳にした。秋子は小出と結婚する前、大沢と付き合っていた。だが、大沢は、夢を追い求め、秋子を捨てて上京。その直後、秋子は聡と結婚し、千春が生れていた。実は、千春は大沢の子供だったのだ。

 早田(六平直政)の協力で捜査を進めた佃は、大沢が病気で余命半月と宣告されたことを確認。父親と名乗り出られぬまま、娘・千春の生活ぶりを眺めていた大沢が、偶然紗枝が典子に屋上に連れていかれるところも見た、とにらんだ。