箱根湯河原泉交番(3)
『芸妓の



堤 梅太郎 * 船越英一郎
堤  鈴子 * 榊原 郁恵
堤  さち * 五月みどり
清家  保 * 梅宮 辰夫
岡林 芳郎 * 六平 直政
堤  辰彦 * 毒蝮三太夫
山岡  茂 * 不破 万作
太田 陽子 * 一色 彩子
真島ゆかり * 猫背  椿
小山 良明 * 中丸 新将
堀尾  進 * 柳沢 慎吾
坂井 新子 * 大場久美子
小山 千秋 * 仁科亜季子
奥村 弥生 * 栗原 小巻


企   画 * 酒井 浩至
脚   本 * 今井 詔二
      * 川村 昌子
監   督 * 淡野  健
プロデューサー * 前田伸一郎
    * 高橋 直治
    * 小泉  守
音   楽 * 大谷 和夫





 湯河原の芸者衆がテレビで取り上げられて程なく、梅太郎(船越英一郎)は、時効間近の事件を追っている所轄の警部・岡林(六平直政)と出会い、事件に関連してある頼み事をされた。岡林が解決を目指しているのは、踊りの家元・小山良明(中丸新将)が自宅で撲殺された15年前の事件。岡林らは、小山との仲が冷え切っていた妻の千秋(仁科亜季子)と、事件直後に行方をくらました内弟子・足立早苗の捜査を進めたが、解決には至っていなかったのだ。

 梅太郎が岡林から頼まれた事というのは、テレビにも出た置屋の女将・奥村弥生(栗原小巻)の聴取。元々、姉妹芸者だった弥生と千秋は、小山を巡って争い、結果的に千秋が妻の座を射止めていた。その千秋が最近、弥生が人を使って小山を殺させた、と言い出したらしいのだ。だが、梅太郎が会った弥生は、話を聞いて顔色を変えながらも、事件とは関係ないと答えた。

 そんな折、弥生の置屋所属の芸者で、弥生と一緒にテレビに出た坂井新子(大場久美子)が、公園の階段の上から突き落される事件が起きた。新子は、5年前、記憶喪失の状態で海岸に倒れている所を弥生に発見され、そのまま置き屋に居付いてしまった女。新子の記憶が戻らぬまま、近々子持ちの屋台のおでん屋・堀尾進(柳沢慎吾)と結婚する予定になっていた。

 たまたま一緒にいて悲鳴を聞き現場に駆けつけた梅太郎と堀尾は、急いで気を失った新子を病院へ運んだ。幸いにも新子は命に別状なく、妊娠3ヶ月が判明したことから、堀尾は笑顔を見せる。だが、新子は、以前人を殺したかもしれないと言い、それが原因で命を狙われたに違いない、と恐怖感をみなぎらせた。

 まもなく、新子に町から出て行け、という脅迫電話があり、堀尾の屋台が放火される事件が発生。さらに自転車に乗っていた新子が、芸者仲間の太田陽子(一色彩子)の車に追い落とされる形で川に転落した。警察は、記憶喪失の一件をテレビでバラしたこと、事件直後に公園の階段で女が落とした懐中時計の持ち主だったことなどから、日頃から新子を毛嫌いしていた陽子が突き落しの犯人ではないかとにらむ。だが、岡林の取り調べに対し、陽子は公園の現場に行ったことは認めながらも、犯行は否認。自分がすれ違った帽子とマスクの女こそ真犯人に違いない、と証言した。

 そうこうするうち、入院中の新子の記憶の断片が甦った。新子の話によると、15年前、小山と千秋の喧嘩に、居合わせた早苗という女が止めに入り、その際、花瓶で小山の後頭部を撲りつけてしまった。千秋はその早苗に、「後はなんとかするから、逃げなさい」と言ったらしいのだ。小山の致命傷は、後頭部ではなく前頭部にあった打撲。小山を殺した感触はあるが、殺したのは自分ではない、と新子が言っていたことを思い出した梅太郎は、ある可能性を考えて―。