火曜サスペンス劇場



刑事 貫八郎(18)
『真中の乗客』

キャスト

鬼貫 八郎 * 大地 康雄
鬼貫 良子 * 左  時枝
鬼貫真奈美 * 須藤 温子
碓氷 道夫 * 羽場 裕一
山田 理恵 * 中島ひろ子
角間 春江 * 白石加代子
深澤美和子 * 北原佐和子
桜木 義文 * 小倉 一郎
桜木 由香 * 楊原 京子
桜木今日子 * 中田 喜子
黒川課長 * 天田 俊明
島田刑事 * 十貫寺梅軒
田代刑事 * 森本  浩
スタッフ

原   作 * 鮎川 哲也
脚   本 * 坂上かつえ
監   督 * 山田 大樹
プロデューサー * 服部比佐夫
    * 大野 哲哉
    * 平松 弘至
音   楽 * 吉川 清之

ストーリー

中野区内の道路に止めてあった車の中から、宝飾店『深澤宝飾』の経理を担当している桜木義文(小倉一郎)の他殺死体が見つかった。検証の結果、車は桜木のものであったが、殺害現場は別の場所。桜木は、昨年死亡した寝たきりの姑を8年も介護し続けた妻・今日子(中田喜子)と、一人暮らしの娘・由香(楊原京子)の3人家族。今日子の話によると、桜木はその日、客の接待ゴルフで社長の深澤美和子(北原佐和子)と箱根に行っていた。

美和子は、夫が6年前に死亡したのを機に社長を引き継ぎ、以前信金勤務だった桜木を片腕にして会社を切り盛りしてきた。鬼貫(大地康雄)らの事情聴取に対し、美和子は、客らと都内に戻り、食事の後に解散して、そのまま世田谷の自宅に戻ったと話した。

事件の第一発見者で鍼灸師の角間春江(白石加代子)は、死体に気付く前、現場からサラリーマン風の男がタクシーを拾って消えたと話した。ところが、見つかったタクシーの運転手・山田理恵(中島ひろ子)は、客を乗せて世田谷の億ションで降ろしたが、その人物がセレブ風の女だったと証言。首実検で、理恵が、美和子を「あの女に間違えない」と告げたことから、捜査陣は美和子を“ホンボシ”と見て裏付け捜査を開始した。

だが、春江と理恵の証言の食い違い、そして、死体を中野区内に遺棄した理由が気になる鬼貫は、まだ他にも何かが隠されているとにらんだ。桜木と美和子が男と女の関係にあったことは確認されたが、理恵の証言以外、犯行を否認し動機もない美和子を犯人とする理由は他に何ひとつないのだ。

桜木の葬儀が終わって程なく、事件発生の当夜、ゴルフ帰りの桜木が美和子の家に立ち寄ったとの目撃証言が出たことから、捜査陣はついに美和子の逮捕に踏み切る。だが、捜査陣の追及に対し、美和子は桜木が家に来たことは認めながらも、殺害に関しては完全否認した。

まもなく、鬼貫は、思わぬ事実に注目した。以前、『深澤宝飾』が不渡りを出しかかった時、桜木はどこからか資金を調達し、会社を倒産から救ったことがあった。それが、何と、桜木の亡母が虎の子のようにしていた故郷・西伊豆の土地を売却した金だった判明したのだ。売却当時、今日子は、その事実を桜木から全く知らされていない。そして、由香の話から、今日子が桜木の浮気に気付いていたらしいことが分かった。だが、桜木を殺害する動機が明らかになったとはいえ、三鷹市在住の今日子が死体を中野区に遺棄するのは時間的に不可能であった。

そんな中、鬼貫は、胆のうを摘出した今日子、事故で負傷した理恵、乳がんが再発した春江の3人が、同じ時期、同じ病院に入院していた事実を確認して―。