九門法律相談所(9)
『沈黙の裁き』

<出演>
  <スタッフ>
九門 耕作 山崎  努 原  作 和久 峻三
九門  恵 床嶋 佳子 (天山文庫)
植野 恵一 梨本謙次郎 脚  本 日暮 裕一
植野 夏子 中島ひろ子 監  督 黒沢 直輔
植野 春子 池田 道枝 チーフプロデューサー 重松  修
山沢 史朗 山口 真司 プロデューサー 田辺 昌一
山沢 啓子 中上 ちか 瀬島 光雄
井出 和雄 伊藤洋三郎 音  楽 吉川 清之
前園 梅子 阿知波悟美 企  画 長富 忠裕
吉田 青年 佐藤 丈樹


<あらすじ>
 都内で営利誘拐殺人事件が発生、遺体発見現場で検出された指紋から、刑務所を出たばかりの植野恵一(梨本謙次郎)が逮捕された。殺されたのは、総合病院『山沢クリニック』の院長夫人・山沢敬子(中上ちか)。犯行は、誘拐直後に被害者を殺害し、その後で夫・山沢史朗(山口真司)に身代金を要求するという凶悪なもの。九門は、マスコミがこぞって事件を取り上げる中、植野の母・春子(池田道枝)と妹の夏子(中島ひろこ)に弁護を依頼された。

 植野は、まもなく、あっさりと犯行を自供。検察が営利誘拐で起訴し、公判が開始された。

 植野の法廷での態度は極めて悪かった。本人は傷害致死を主張したが、情状酌量の可能性は全くなく極刑は避けられそうにない。だが、九門には植野の弁護を降りられない理由があった。実は、九門は、検察官当時、植野が起こした殺人事件を担当。植野は最後まで犯行を否認したが、10年の実刑が決定していた。この一件もあり、九門は春子らの依頼を断わりきれなかったのだ。

 植野の事件は、夏子にも大きな影を落としていた。以前、看護婦だった夏子は、婚約をしていたのが、植野が刑務所に入ったため、結局、取りやめになったらしいのだ。

 そんな折、植野の以前の事件を調べた恵が、驚愕の事件を掘り起こした。この事件は、植野が闇金融の経営者を殺害したというものだが、今になって真犯人が判明したのだ。この人物は、当時、植野と共同で商売をしていた井出和雄(伊藤洋三郎)。医師に余命がひと月もないと宣告された井出は、罪滅ぼしのため事件の真相を手記として書き恵に手渡したのだ。植野は、当時、井出の犯行に気付いたが、その妻の妊娠を知り、黙っていたようであった。

 恵から、井出の手紙をみせられた九門は、呆然自失。冤罪事件を他人事と思っていたこともあり、九門はショックで部屋に閉じこもってしまった。

 そんな九門に代わって調査を進めた恵は、思わぬ事実を突き止めた。山沢は、啓子との結婚の前に付き合っている愛人がいたのだが、それがなんと夏子だったのだ。夏子は、最近、山沢の子を妊娠したが、結局、堕ろしたらしい。

 啓子殺しが夏子の犯行と察知した九門は、拘置所の植野に接見。やがて、植野の弁護を恵にまかせ、自ら証言台に立った─。