刑事鬼貫八郎(9)
『沈黙の函』

<出演>
  <スタッフ>
鬼貫 八郎 大地 康雄 原  作 鮎川 哲也
茨木 辰二 小松 政夫 (『沈黙の函』より)
西田 新介 藤井 びん 脚  本 坂上かつえ
茨木 周一 阿部サダヲ 監  督 田中  登
滝川千鶴子 竹井みどり チーフプロデューサー 重松  修
塚原 貴雄 石井 光三 プロデューサー 大塚 恭司
中島  恵 ひがし由貴 平松 弘至
碓氷 道夫 羽場 裕一 企  画 長富 忠裕
黒川 課長 天田 俊明    
鬼貫 良子 左  時枝    
鬼貫真奈美 間下このみ    


<あらすじ>
 都内の楽器店『楽々堂』にダンボールに入った人間の生首が宅配されてきた。被害者はその店の経営者・茨木辰二の一人息子・周一。たまたま遺体発見現場に居合わせた刑事・鬼貫八郎は、荷物の送り主になっていた宮城県石巻市の長島(久保田篤)という男から事情聴取。事件の2週間程前、周一が岩手県一関市在住の古美術商・塚原貴雄(石井光三)を訪ねていたことを突きとめた。

 詐欺まがいの商法でしばしばトラブルを起こしている塚原は、遺体発見時、店を取り巻く野次馬の中にいた。周一は、この塚原が仕入れたジェニィ・リンドという歌手の幻の歌声が録音されたロウ管レコードを安く入手していたらしい。

 リンドは、レコードがこの世に誕生する少し前に活躍した歌姫で、もし声が残っていればそのロウ管レコードは値段がつけられない代物のようであった。

 捜査陣は、リンドのレコードの価値を知らずに周一に売った塚原が、返却を迫って事件を起こしたと推理。その裏付け捜査に乗り出した。

 そんな中、鬼貫は、犯人が周一の頭部を切断したことに注目し、痴情の線で捜査を進めていた。周一は、中学卒業後、茨木の養子になった孤児で、その美貌から女性にはモテモテだった。

鬼貫は、周一と結婚を前提で付き合っていた中島恵(ひがし由貴)から事情聴取。周一に入れあげ600万円程つぎ込んでいた年上のOL・滝川千鶴子(竹井みどり)の存在を知った。しかし、千鶴子には確固たるアリバイがあり、犯人ではない。

 塚本の家の近くから、周一の残る遺体部分が発見され、捜査陣の塚原に対する取り調べは厳しさを増した。

 周一が卒業した養護施設を訪ねた鬼貫は、関係者から興味深い話を聞き出した。茨木は、店の顧客で、フリーの司会業をしている西田新介(藤井びん)と施設に慰問に行き、そこで周一と知り合っていた。西田の話によると、茨木と西田は同性愛者で、貧乏ながらも楽しくやっていた。だが、周一が現れてからは、茨木の気持ちは西田から離れたという。

 鬼貫は、今回の事件が、恵との結婚を考え始めた周一に対する茨木の嫉妬が原因で発生した、と察知。茨木の犯行を隠すため、元の“恋人”西田が協力した、とにらんで--。