弁護士 朝日岳之助(13)
『温情捜査』

<出演>
  <スタッフ>
朝日岳之助 小林 桂樹 原  作 姉小路 祐
朝日 周平 林  泰文 脚  本 峯尾 基三
花木 理恵 黒田 福美 監  督 田中  登
野崎徳治郎 前田  吟 チーフプロデューサー 重松  修
野崎 葉子 白島 靖代 プロデューサー 服部比佐夫
野崎  稔 竹本 孝之 平松 弘至
松岡 高史 大城 英司 音  楽 糸川 玲子
町田 伸郎 彦 摩 呂 企  画 長富 忠裕
町田 絹代 岩本 多代    
片桐 要一 保井  健    


<あらすじ>
 尾道市の岸壁で溺死体が発見され、その首筋に圧迫痕があったことから、他殺として捜査が始まった。殺されたのは元刑事で、現在、借金の取り立て屋をやっている溝口恒雄(清水宏)。警察は、溝口と金銭トラブルがあった町田伸郎を逮捕。だが、町田は溝口を海に突き落としたことを認めたものの、首を締めたことは否認した。

 町田を直接取材した地元の新聞記者で、甥に当たる周平に助けを求められた朝日岳之助は、直ちに尾道に飛び、『無罪』の方向で調査を開始した。

 溝口は5年前、風俗業者との癒着が噂されて県警を退職、海運会社就職した後、消費者金融に関わっていた。朝日は、溝口が警察を辞めたいきさつを知る先輩刑事で、現在、渡船の船長をしている野崎徳治郎(前田吟)を訪ねるが、はっきりした事情は掴めない。事件当時の潮の干満の時刻と死体発見場所の位置関係から、別の人物が絡んでいると推理した朝日は、事件の背後に何かが隠されているとにらんだ。

 公判が開始される中、朝日は興味深い情報を入手した。溝口は、なんと辞めたはずの海運会社からこれまで2000万円を越える報酬を受取っていたのだ。関係者の話によると、溝口と、海運会社副社長で、市議選に出馬予定の松岡高史(大城英司)とは腐れ縁でつながっているらしい。そして、6年前に発生した傷害致死事件が、今回の事件と深く絡み合っているらしいことが分かった。

 6年前の事件とは、事業上のトラブルから1人の男が死亡したもので、松岡と及川稔(竹本孝之)という男が起訴され正当防衛の判決が出ている。この担当刑事が今回殺された溝口で、稔は事件後、溝口と共に捜査に加わった野崎の婿養子になっていたのだ。

 稔の話によると、遣い込みをした男を松岡と一緒に注意したところ、逆にナイフで腕を切りつけられ、混乱の中で死亡事件になったという。

 ところが、検察が過剰防衛による傷害致死で起訴したにもかかわらず、野崎が松岡と稔の正当防衛を主張していたと判明。当時自分の娘・葉子(白島靖代)と稔の付き合いを知っていた野崎が、情に流され正当防衛の立場を取った可能性が出てきた。

 事件現場の鑑識写真を詳細に調べ直した結果、稔の血痕は被害者の男の血痕の上からかかっている、つまり、被害者が刺された後で稔がケガをしたことになる。

 この死に疑惑が隠されていると確信した朝日は、固く口を閉ざす野崎の説得を始めて――。