九門法律相談所(11)
「出世払い裁判」

<出演>
  <スタッフ>
九門 耕作 山崎  努 原  作 和久 峻三
村川 笑子 伊藤  蘭 (「民法おもしろ事典」中央公論社より)
根本喜代美 野際 陽子 脚  本 日暮 裕一
前園 梅子 阿知波悟美 監  督 黒沢 直輔
大友 記良 菊池 隆則 チーフプロデューサー 佐藤  敦
お   松 高山 千草 プロデューサー 田辺 昌一
手塚 篤信 本田博太郎 瀬島 光雄
志村 六郎 坂田 雅彦 音  楽 吉川 清之
藤井 検事 佐古 正人 企  画 酒井 浩至
伊藤 判事 佐々木 敏    
山本弁護士 渡辺  穣    
小宮 刑事 脇坂 奎平    
尾崎 刑事 かのう修平    


<あらすじ>
 九門が事務所の隣りにオープンした人生相談所の女主人・根本喜代美(野際陽子)に、村川笑子という“客”を紹介された。笑子は、亀戸で小料理屋をやっているのだが最近は赤字つづき。そこで、以前、出世払いということで貸した金2000万円を裁判沙汰にしてでも取り戻したいという。

 相手の人物は、笑子が4年前まで一緒に暮らし、現在、小口の金融業を営んでいる大友記良。笑子は、大友が『出世払い』と書き、拇印を押したノートの切れはしを大切に持っている。だが、九門が店を訪ねても、大友は全く取り合わなかった。

 九門が裁判に備えその資産状況を調べようとした矢先、なんと大友が浅草で発生した闇金融業者殺人事件の容疑者として逮捕された。目撃証言などから、大友の犯行は間違いないところ。

 だが、民事裁判の途中、笑子の日記風のメモを見ていた九門は、笑子が殺人事件の発生当時、大友に会っていた個所を発見、これが大友のアリバイを証明する重要な証拠になるとみた。

 浅草の事件の法廷に乗り込んだ九門は、大友についた国選弁護人になり代って弁護を担当。いやがる笑子を説得して証言台に立たせた結果、検察に控訴を取り下げさせた。大友は笑子に少しずつ借金を返済する約束。騒ぎは一件落着かと思われた。

ところが程なく、杉並の住宅地で主婦殺しが発生したことから、事件は思わぬ展開を見せた。被害者は手塚篤信という古美術商の妻。警察は、夫婦仲の悪さ、妻に掛けられていた保険金の額などから手塚を犯人と断定していた。この手塚が九門に弁護を依頼、事件当時、なんと大友と一緒にいた、とアリバイを主張したのだ。

 事務所を手伝う前園梅子(阿知波悟美)の調査によると、古美術商の手塚の“本業”は書類などの文字を改竄(かいいざん)する偽造屋、インクに細工し時間経過をごまかすのが得意だという。

 笑子が、殺された金融業者から多額の借金をしていたことを思い出した九門は、今回の2つの殺人が大友・手塚・笑子の3人によって計画、実行されたと察知。自分がまんまとその計画の歯車として組み込まれていたと気付いた。

 笑子と大友は共に外房・興津町の出身。2人が姿を消したと知った九門は、その確証を得るべく、梅子と共に外房に向かって――。