12月6〜9日まで4日間で開催される全日本選抜競輪。
オリンピックイヤーだった今年、注目はやはり北京で日の丸を背負った選手たち。
戦力外通告という屈辱を乗り越えた男。日本一の称号を手に入れて世界に挑んだ男。
世界最速の脚でメダルという重圧と戦った男。
私たちは北京戦士の中から3人の選手にスポットを当てた。

8月16日、日本の競輪史に輝かしい1ページが刻まれた。
日本発祥のオリンピック種目“KEIRIN”で、悲願の銅メダル獲得。
その快挙を成し遂げたのは、永井清史、25歳。
アテネを目指していた4年前、五輪直前「ハートが弱い」という理由で代表から外されてしまう。
永井のいないチームはアテネで銀メダルを獲得。いままで味わったことのない屈辱・・・
そんな永井を支えたのが先輩レーサー加藤慎平を中心とする“闘心会”の仲間たち。
加藤や仲間に助けられ、永井のオリンピックへの挑戦が再び始まった。
そして、“闘う心”を手に入れた永井は、北京で表彰台まで上りつめた・・・
帰国後、空港で出迎えた加藤慎平と永井は衆人見つめる中、涙を流して抱き合った。
その後、永井はメダリストとして注目を浴びることになる。
しかし、日本の自転車界初の快挙は、やがて永井にとって見えない重圧となってのしかかる・・・。

その時、闘心会の仲間は、先輩・加藤慎平は・・・
また、競輪を休んでオリンピックに集中したため、収入が去年の20分の1となってしまった。
「迷惑をかけて申し訳なく思う」という妻の支えがあってこそ、永井の快挙は成し遂げられた。
いろんな人たちに支えられていると実感した永井。
「銅では納得がいかない。ロンドンではもっと体を作って挑戦したい・・・」と、すでに4年後のロンドン五輪を見据えているが、国内の競輪で勝つことが支えてくれた人への何よりの恩返し。
永井の当面の目標は、いまだ縁がないGTタイトル。北京で一躍スターになった男が、今年最後のGT「全日本選抜競輪」で激走する。

北京ではもう一人、KEIRINに出場していた競輪選手がいる。
伏見俊昭、32歳。伏見は誰もが認める日本を代表する選手。北京では永井よりも伏見の方に期待が集まった。
自身も「日本の競輪が世界でも通用することを証明する」という意気込みで北京に挑んだ。
32歳という年齢もあり、伏見は北京を最後に日本代表から引退することを決めていた。
アテネ後4年間、北京のKEIRINだけに集中してきた伏見だったが結果は、
1回戦敗退という惨敗・・・代わりにメダルを手にしたのは、後輩の永井だった。
「今まで自分がやってきたことは一体何だったのか・・・」
伏見はオリンピックに懸けてきた10年間の人生を振り返った。
帰国してからは脱力感で何も手につかず、とりあえず練習をするという毎日の繰り返し。
レースでもマスコミの注目は永井ばかりに集まるし、結果もついてこない。
ふと、自分を見つめ直した時、伏見は気がついた。
“自分には競輪しかない・・・”
自分が競輪で頑張ることが、若手選手の育成にもなり、結果的に次世代のスターを生むことができるはず・・・
自分を越える若手が現れるまで、伏見は走り続ける。

アテネ・チームスプリントで第一走者として、世界最速のタイムを叩き出した長塚智広。
その実績を買われて北京直前、メンバー入りしたが、本番では車体故障というトラブルもあり6位という平凡な成績。
「息子に金メダルを見せて・・・」妻の思いも儚く終わってしまった。
しかし、長塚はこれぐらいでは腐らなかった。
悔しさを競輪にぶつける長塚は北京後、初めての競輪でいきなり勝利を飾る。久しぶりの実戦にもかかわらず快勝。
優勝こそならなかったものの、最終日も勝利で締めるなど、今まで以上に調子が良い。
なぜなら次の目標が見えているからだ。
11月に2人目の子供が生まれた長塚は4年後について自身のブログでこう語っている。
「次回のロンドンを目指す気持ちは現状あります。当面は現役続行です!」
調子の良さを維持して長塚は全日本選抜に臨む!その先にある舞台を目指して・・・
熱い男たちの戦いを、埼玉・西武園競輪場から日本テレビが生中継。
会場に特設スタジオを設置して、現地から生の興奮を全国にお届けする。
日本のトップレーサーと、オリンピックで世界と戦った選手たちが繰り広げるガチンコ対決。
2008年12月9日、日本中が最速ヒーロー誕生の瞬間の目撃者となる!
伊豆・修善寺にある日本競輪学校。そこは一攫千金のヒーローを目指す若者たちの登竜門。
入学の動機は様々だが、皆、現状の生活を変えたいと思い、一大決心をしてやって来る。まさに人生の転機となる場所だ。
現在、競輪学校には76名の96期が在学中。11月には73名の新入生97期を迎え入れる。
97期にはプロ野球の広島東洋カープを解雇になった男、警察官を辞めて競輪の世界に飛び込んだ男、BMX(バイシクル・モトクロスという競技。
北京五輪からオリンピック種目)で北京直前まで代表候補に挙がっていた男など、そのプロフィールは豊富なメンツがそろった。
学校での厳しい訓練や日常生活を取材し、彼らの競輪に対する思いや人生観などを描く。
※内容については変更になる恐れがあります。